MR.MORNING 2巻 (2) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)/高山 しのぶ

【虹石機関車のモーニング乗務員トーイは、乗車勤務を終え駅勤務中。
そんなトーイの元をミゲールの兄、ロバートが訪れる。
今度の任務は自らの婚約者の護衛だという。
一方その頃、虹石機関車を巡って軍部が動き出す――。
大人気・高山しのぶが描く機関車ファンタジー、堂々完結!!】

■登場人物ー
ト-キィ・トーイ
モーニング車両に配属された新米乗員。
機関車に憧れ上京してきた。

ミゲール・ワイズマン
モーニング車両の室長助手。
機関車をこよなく愛する、トーイの教育係。

ヴィンセント
王都騎士団第三隊隊長。国の軍部の中枢を担う。

ワイズマンの兄(正確には異母兄)ロバート・ワイズマン
その婚約者のジャンヌ・バルトーク
トーイのおばパランティ・ストランド


■虹石機関車と軍部のいざこざ
同僚とか手品師のお兄さんだとか1巻で出てきた人たちはかなり割愛、ストランドさんの素敵な旦那さんも出番が…! な2巻(完結)は、1巻の最後で匂わされていた軍の上層部関係のあれこれでした。
トーキィ・トーイの母親が勤めていた研究所、
そこでやっていた虹石に関する実験、
途絶えた連絡と花の香り。
戦争による弊害、乗務員と乗客との隔たり、お兄さんと婚約者さん。
ちょこっとミゲールの幼少時代も……か、可愛すぎです。

一直線に軍の話し合いで、しかも彼らのほうはともかくトーイ一家の方はほとんど触れられていないので、1回読んで結果を覚えておいてからもう一度読んだほうがいいかも。
お父さんが……お父さんが……。
そこかしこに伏線というかヒントがあります。
あとこれ初回限定版とかでは多分なく表紙が二重の仕掛けになってるんですねー! 面白ーい。
表紙外してだったらいくつか知ってますが、これは初めてだなあ。


とりあえずもうこのお話はトーキィ・トーイが最後までトーキィ・トーイでした。
それだけでいいと思うんだ。
真っ直ぐに虹石機関車が走るのが好きな少年と、平和ボケした彼らに苛立った移民の軍人さん。
シリアスは引き締めてシリアスなんだけど、みにまむキャラも可愛らしく愛らしい。悶えそう。
ミゲールとロバートのお父さんも登場しての色んなものの絡み合い。
庶民生まれの長男と貴族生まれの次男。
理科系の知識がさらりと組み込まれていくのが結構好き。
巡爵の坊ちゃんも最後の最後で出てきて決めてくれました。
書き下ろしもたっぷりで、ロバート&ジャンヌ初対面とトーキィ・トーイの成長後をちょこっと。


上げた拳は必ず敵を作ります。

箱庭が箱庭であれるよう虹をかけるのが 私達の仕事なのではないですか?


綺麗事を綺麗事と知っていて尚唱えると言うのなら、それはそれで構わない。