夏祭りに妖狐は踊れ (ファミ通文庫)/飛田甲
¥672Amazon.co.jp
【「未来視」能力を持つ優希と、バリバリの科学信奉者・真也の通う高校に狐の呪いを呼ぶという「不幸の手紙」が流行りだした。
同じ頃、夏の鎮守祭を調べ始めた赤城と、民俗研の後輩涼子は、その縁起に「狐の祟り」が関係していることを知る。
しだいに学校中に広がる「不幸の手紙」。続出する怪しい出来事。
手紙と鎮守祭に共通する「狐の呪い」とは何なのか?
そして少女の「未来視」能力が示唆した思いもよらない真実とは――。青春ラブ・ミステリー第2弾。】
1弾未読ですが、前巻のことも踏まえつつ書いてくれていたので、この巻だけでも十分楽しめました。
前情報全くナシのイラスト+粗筋買いでしたが満足満足。
■前巻のおさらい?
優希は決定している「未来」が見える能力の持ち主。決定事項である「未来」とは違う結果になると、因果律の関係で修正が働く。
それに因って出来たのが「優希」の情報のみを持った「ユウ」。
オカルト懐疑者の真田真也(名前に“真”が二個も入っているというのがまた彼らしい)は全ての事象――特に非科学的なものについては疑いを持って取り掛かる。
■あらすじ
巻き込まれる「不幸の手紙」は根幹すら一緒だけれど、実際に「狐のお面を被った巫女」が見えるという曰く付き。民族研究会の部長に見込まれてやったお祓い、加えてこちらも母親からごり押しに近い形で頼まれた祭りの巫女役。
代わる代わるに視える「未来」と、伝承と伝説、呪い、龍と狐。
結構ヒロインの子が押しに弱い子だったので「あー……」とかなり不安だったんですが(実際嫌になりかけました)持ちこたえてくれました。
過保護な真田がひたすら可愛かったです。
電話もしてくれたし、一緒に舞ってくれたし、無口なのはご愛嬌、ということで。
あれだけ態度に出してるんだったら解りやすいと思うんだけどなぁ。
脇役サイドでは、民族研究会部長は投げ捨てておき、赤城さんが味のあるキャラです。
イラストと作中のイメージがちょっと違いましたが。メガネはかけてなかったな私の中で。
キツい性格の病弱、涼子さんへの気遣いと距離も読んでいてとても心地よかったです。
“物理的に”というのがいい。
個人的には地域に根付く伝承と本来あった出来事の相違や、捻じ曲げられた昔に、キーとしては1巻に引き続いたような“情報の総量”なのかな、と思いました。
若干煙にまかれた感じがするのはよく理解できていないからかと。
挿絵も表紙に裏切られないものでした。