森 絵都
永遠の出口

【私は≪永遠≫という響きにめっぽう弱い子供だった――。
友情、秘密、家族、恋…10歳から18歳まで、揺れ動く少女の思春期。
昭和50~60年代を背景に、新鋭がリリカルに描く長編。著者初の大人向け物語。】

上記以外であったのは、先生との対決、父母の離婚騒ぎ、姉と自分の失恋、バイト先での出来事。
先生との対決にワクワクしてた自分としては、結局タイムアップで判定勝ちっぽい終わりと、“私”の幼馴染であるトリの活躍をもう少し!と思いましたが、
全体的に見ればそれぞれのときのワンシーンを切り取っただけ。

いきなり2年経過してたりするのもお手の物、
最初は小学生だったのに、と思うこともでもないですが、
まぁ恋愛でのイタさを抜けば、万引きから旅行などなど。
別れてから一年と二ヶ月経って、それでも「好きになって良かった」と思える恋愛が出来たのはよかったですね(正直そこまで傾倒してるとは思わなかったですが)
触れ合うことのない恋愛だけに相手視点がないだけに、半ばから必死になっている主人公は痛かったかもしれません。
努力し続ける恋愛。

逆に、バイト先であるカフェでの遣り取りは純粋に素敵だったと思います。
仕事に誇りを持っているシェフの森住さんとのアイコンタクトは思わずガッツポーズです。
よくそこで捨てた。

永遠に~出来ない、ということに恐怖を感じている割に、永遠を求めてるわけでもないことが矛盾してて面白かったです。
高校生活の最後、星座案内人としての役割を担うことになった私が、その講義の中で太陽でさえ永遠ではないことに愕然となります。
寿司屋の跡取り、よく頑張った。


個人的にはトリが好きだったので是非もう少し登場して欲しかった……。
「冬眠する」ですってなんて素敵な。担任とのときにはダークホースでしたね。