霜島 ケイ
封殺鬼―鵺子ドリ鳴イタ 2 (小学館ルルル文庫 (ルし2-2))

志郎さん頑張った………!!

後書きで仰っているように上中下の気分だったらしく、
確かに前巻を上とするなら中だな、という印象。
真術会が形を潜め、桐子と志郎さん中心のお話でした。

子供であることを望まれなかった当時10歳の桐子が14才になって、聖と弓生が傍に居てさえ埋まらなかった洞が段々と口を開けます。
敵を前にし、敵わないから遠ざけた家人が怪我を負ったこと。
勝てないならそれまででいい、と言い切ったこと。
見返りを求めない利害の繋がりではない心が、理解できないこと。
与えられると、戸惑ってしまうこと。
幸せになってほしいなぁと切実に思います。

桐子が幽体離脱(?)して志郎さんに訪ねに入ったり(しかしそれを当人は夢だと思っている)、
後日訪れてお守りをあげたり、嫌がらせをしたり。
お重を真面目に食べている弓生のイラストには吹き出しました。
聖の暢気さは筋金入り。しかし「可愛くて女を食べる」の場合は、実際食べてますのでお兄さん笑えません。

桐子を庇って怪我を負っただけではなく、魂を取られてしまった家人の奥様が倒れました。しかもそれで動揺している桐子が可愛くて可愛くてしょうがない。
冷静に分析する弓生と、年の離れたお兄ちゃんみたいな聖も込みで大好き。

ストーリー的な展開は落ち着いていますから、
完全に志郎さんと桐子さんの交流なのですが、私的には物凄く楽しめました。
勿論弓生と聖と桐子が闘う姿も楽しみではありますが、
ちょっと影の薄かったブラコンお兄ちゃん(今回も発揮されます)の軽い出生もありましたし、
正直どこまで追い駆ければいいのか解ないですけど、
GA文庫のカラクリ荘も(続刊があれば)共に追い駆けたいと思います。

修学旅行前日、友人宅でのお泊り中に読破。