六塚 光
レンズと悪魔 3 (3)
大ブレイク!と言われていてひとり「えー……」と思ってたんですが、
今回は総合で言えば気持ちがよかったです。
敵さんが毎回読んでいて凄く気分悪かったからでしょうか。
今回は、……まぁあの精神論の台詞を除けば、いい人でした。
鉄建制裁はやりすぎだと思いますが―――うん、いいや。
難点を先に挙げるなら、各章のタイトルがしょぼいこと。
特に後書きで上陸と譲戮を掛けているなんて説明をされた日にゃあ、あんたそれ言っちゃいけないよ、と本気で思います。つかそれくらい解る。
あと、博物館で話し合ってるときの闖入者は、その過程がないだけに唐突で出来過ぎ。
今回の参加者との戦闘後、それを讃えるにしても精神論は吹いた。思わず呟くほどに。
それでも全体としては、1・2に比べればよかったです。
敵さんが自分の信念を貫くので読んでいて気持ちよかったんだと思います。
殴り殺すのはどうにかしてほしいですが、妻への対応だとかファルナの救出だとか、
まさに「敬意を払うべき敵」。エルバ、グッジョブ。その発言はめちゃくちゃ高く買います。
テッキの壮絶な過去が最後明らかになり、ファルナは戦線離脱。
なんの活躍もせずに、ですね、ファルナについては。
足を引っ張るかかき回すかしいかしないまま、
まぁクラヴリー(敵)を守ったので、名誉の負傷ではありますが……。
虚空の魔神・ネアとクラヴリーが今回の参加者です。
チェビアト(エルバのお父さん)が博物館に残して行った預かり物を引き取ろうとしますが、
クラヴリー、実は虐殺事件の首謀者としての罪があります。
それを否定し続けて10年間、脱獄をして本当の罪を探しに来ますが、
当然、エルバ達も預かり物の中身を想像して、相手を信用できず、渡しません。
そして今回は珍しく、ルナの嫌がっている表情が読めます。
塵を燃やす獄炎の魔神・ネア。見た目は女海賊ですが、
うざいほどにルナ大好きな攻撃優勢魔神です。
主は最後の最後で明らかになりますが、
これに対抗する唯一の魔神・ミナが退場したので、
次回からの活躍が怖いです。
カズアキさんの絵が好きなので買いましたが、
様子見で続刊も買って来たいと思います。