三田 誠, 安田 均
猫は導く―精獣戦争

相変わらず読みやすく面白いお話をありがとうございます。
さくさく進んでいるのに安っぽさは全くなく、
ひとりひとりのキャラも確りと確立されていて、
しかもその交遊が胸トキめくものがあります。
特に金獅子・イルナーヅァを宿す<美帝>アズナートが他者に関わると可愛い。


元白魔の若長にして屈強なる戦士・ザクレフは、
強大な魔力を持っていた<ゲルシュエイク>の従者であり彼女亡き後その記憶を引き継いだティカを探しに、
<歪み>の能力を持つ激怒の紅虎・グルノーシグへと向かいます。

<美帝>アズナートと魂を分けた双子・ウルズ(敗者の意)は、1000年前より生きる双女王の片割れ・スーリアの薔薇から脱出後、「狼は惑わす」に出てきた夕焼けの力を持つヤーブナと戦闘。
ヤーブナはユガの獣が一柱、悲哀の青狼・メイアースの主です・

で、えーと<美帝>アズナートは、自身が支配する金獅子・イルナーヅァの鬣から剣を作ってもらい、双女王の片割れ、青い薔薇のレダと僅かの間行動を共にします。


彼らの目的地は<果ての地>。
精獣戦争が精獣戦争である理由、ユガの獣がどうして主なしに生きているのか、忘れてしまった記憶、そしてウルズが宿した絶望の黒龍・ジーヴァの「喰らう」能力、
虎の「歪み」、獅子の「支配」、狼の「惑わし」のそれぞれの意味。



個人的にザクレフとティカが仄かに恋愛しててものすっごく可愛いんですが。
お互いにお互いが好きなのに、でも本編の本筋じゃないからあまり描かれてなくて、そのくせザクレフ、光鷲・アルシンにウルズの案内を任せてティカを追っちゃうとか素敵過ぎなんですが!
慈しんでるとか口元に笑みが浮かんだとか、
むしろこっちがテンションあがってにやけますから。
いっやーもう本当、ありがとうございます。
これほどくっつてなくて会話も覚束無いような恋愛に愛しさを覚えるとかなかったですよ。

それでもストーリー的には次巻で終わりますように、
黒衣のものも姿を現し、鳩以外は全て出てきましたし、
まぁ毎回毎回どうして最後の最後なのかなァとも思いますがそこら辺はご愛嬌。
レダとスーリアの本当の関係、<果ての地>の前に聳える崩壊した城塞、
リィナイラと黒衣のものが誰にも知られず出会い、
ウルズは魂を半分以上龍に喰われてます。


最終巻は手に入り次第読もうと思いますがしかし、
近隣の区の図書館には入ってないのでどうしようかと思ってます。
……………えっとすいません、 製 造 中 止 ってマジですか?

・ 関連作品の感想 ・

龍は喰らう――精獣戦争/著・三田誠 原案・安田均
狼は惑わす――精獣戦争/著・三田誠 原案・安田均
虎は歪める――精獣戦争/著・三田誠 原案・安田均