浅井 ラボ
されど罪人は竜と踊る

長かった。そして重かった。最後に漢字が多い。
最初の2人の会話がかっ飛ばしすぎて毒が強かった。
信頼とも好意とも違うけど(本編では“依存”らしいです)
それでも一緒に任務をこなしている彼らの関係が見えてくると会話は大丈夫でした。
が、一貫して凄かったのは戦闘のときの論理と理屈。
ジュシキという(すいません上手く漢字が出ませんでした)科学的な魔法のようなもの。
ひたすら凄いというコトだけが解って、
じゃあ説明して、と言われても出来ません。
世界観が作者の中でほぼ確立してるらしく、
それを伝えようとしているので、国名やら条例やら人名やらがやけに多い。
まぁ覚えてなくてもガユス(眼鏡)とギギナ(銀髪)が、
巻き込まれて頑張ってるのを見るだけで十分面白かったです。(にっこり)


国家間の闘争や思惑に思いっきり巻き込まれるガユスとギギナですが、
いやはやガユスの語りが非常に面白い。
謎解きも思考もいいなぁ、これは。
凄く理路整然としているくせに、ヘタレだ。
でもヘタレが最初に出てくるので、話している部分は「おお」と思わせますね。
最後のほうのギギナもいいなぁ。結局枢機卿を見逃してるわけだし。
あ、ガユスの恋人であるジヴもイイ女でした。
犯人の正体は結構先が読めるものがありましたが、
それでも翼将に絡ませてのあの最後は凄い。
親友の最期も「借り」も、それ以外でも色んなところでの細かな提示が惜しみなく回収されていて、「二つのジュシキ」とか「借りは返した」とか素敵だ。

ストーリー全体としては難しくてまだ理解しきれていなかったりするんですが、それでも2人の会話のあのテンポも毒も、一度はまったらやみつきになりそうです。
言葉遊びも多いし、ただ漢字と理科系知識満載だったので、
辟易する人はするかもしれません。

宮城さんのイラストは昔の方が好きでした。
今だと輪郭と色が濃すぎると想ってしまって。