石田 衣良
1ポンドの悲しみ

・ ふたりの名前

初っ端から泣きそうになりました!
ワインからグラスからテレビまでイニシャルを書いて所有権を主張する恋人。
いいなぁ、動物。猫を飼うんですが、それがまた一波乱。
ふたりの、っていうのが既にポイントになってます。


・ 誰かのウエディング

結婚式で出あった女性。
それが式場関係者ってのがなんとも石田先生らしい。
名刺を差し出したり食事に誘ったり、可愛いなあ。


・ 十一月のつぼみ

逃げるのかな、と思ったら、留まりました。
まぁどっちに言っても賛否両論。
花やに勤める既婚の女性。
一週間に一度、訪れるのはデートの前に花束を買いに来る芹沢。
結婚記念日も忘れる夫の話をしたら……。


・ 声を探しに

いいなぁ、これ続き読みたい。
適度に痛くなりそうで読みたい。
風邪だと思った声の出ない原因は、心因性のもの?
ずっとずっと無視してきたものをふと思い出して、傷付いていたのだと知る。



・ 昔のボーイフレンド

うーん、まあ王道。
タイトルのまんまだし。
朝が来る、というのがよかったけど。


・ スローガール

んん、ハンディキャップの女性かな?
異様に喋るのがゆっくりの女性。
男の人が遊び人。ってほどでもないけど。
会話が過ぎていて笑えた。


・ 1ポンドのかなしみ

遠距離恋愛!
結構大体のページを通してヤってますが、
石田先生のって静かだよなぁ。
だからこそ官能的でもあるんだけど。
電車で別れるシーンの男の人の台詞が面白かった。



・ デートは本屋で

最初が「どんな本を読みます?」だよ(笑)
いいけど、そんなに読書好きの男性って会ったことがないなぁ。
それか趣味が解り過ぎるかで。
ま、小説というよりは、小説以外の本で盛り上がるんですが。



・ 秋の終わりの二週間

可愛かった! 年の差に悩む男性! 二週間喜ぶとかめちゃめちゃ可愛い!
50歳と34歳。女性が誕生日を向かえ、35歳になる。
二週間だけ、男性の誕生日が来るまで、年の差は15に縮まる。
こういうのを読んじゃうと石田先生が女性なのかな?って疑っちゃうから凄い。


・ スターティング・オーバー

男を切らしたことのない女性が一年間男絶ちをしたあと、
AD仲間だった友達と会うお話。
10年かけてつかめたのなら、いいと思う。
無駄にならなかったんだから。意味が、あったんだから。
こういう約束って、叶えられることはお互いに少ないんだろうなぁ。


スローグッバイに続く恋愛短編集でした。
面白かったです。