新堂 冬樹
あなたに逢えてよかった
友達が、「(タイトルの一部に)本当に、って付けたいね」と言いました。
小田和正さん。保険のCM。この方は男性ながらも声が女性的でキレイですよね。
えー、本編に行きましょう。
純愛三部作、ということで、朱夏さん珍しく前二作も読んでいます。
「忘れ雪」と「ある愛の詩」。
忘れ雪は結構騒がれていたし、ある愛の詩はドラマ化されました。
でも深雪ちゃんとルカとテティスしか覚えていませんごめんなさい。
…………泣けませんでした、ごめんなさい。
思わず、ラスト12ページってどこ!?と探しました。
思い出帳を直也さんからもらって読み始める所でした。
帯の文が結構ネタバレなので興醒め。
レインツリーの国も今思えば結構なネタバレだったけど、
あれはあの言葉の中に入りきらないドラマがあったからまだ面白かった。
うーん………中身への想像を掻き立てられる煽り文はいいんですが、
中身そのものを凝縮したようなモノは勘弁、でも抽象過ぎても……なんで、
ライターさん、無責任ですが頑張ってください。
でも相変わらず文がキレイでした。
純真です。誰もが。「ある愛の詩」の男の子と被った感じはしますけれど、……純也さん。 すいません、忘れてて俊也って打っちゃったです。
根付いた、地に足を付けた幻想、というか…………。
なんか……色気のあるキレイさじゃなく、美しくて可愛い。真っ直ぐです。
締めがアレは正直読めましたが、
病気で記憶を失う純也じゃなくても、
夏陽は記憶を忘れていた、というのは、シュールで面白かったです。
直也さんも読めましたが、身を引いてくれたので、なんとかセーフ。
というか別に「純愛」を謳うのに躯重ねてないから、って理由が凄く嫌。
この話だけじゃなくて、別に純愛で躯重ねててもいいじゃん。
読者に伝わりやすいのはそりゃそうだけど、でもそれを越えて書いてよ。
大人の恋愛と子供の恋愛の境目が、行為だけのはずないでしょう。
面白かったです。
途中あからさまで、セラピーに入った頃から、盛り返して面白くなりました。
大好きな人に初めましての挨拶をされる気持ちが切々と書いてあります。
怖いのは、恋人を忘れることもだけど、恋人を忘れた自分になること。
大切だった愛しい記憶を、想い出せなくなること。
「美味しい紅茶を飲みに行きませんか?」
完全に記憶を失ってから、再会した「初対面」の私に、純也さんはそう言った。
二度目だけれど、ふたり目ではなかった。
永遠に、私だけに向けるという彼の言葉に、嘘はなかった。
紅茶専門店勤務のヒロインに喧嘩吹っかけてるような誘い文句が、始まりです。
友達は泣けたそうなので人によりけり浸ってください。
それではお休みなさいませ、良い夢を。
また明日お会い出来ることを祈りつつ。