皆神山は、長野県の松代町にある。
この山だけ周囲から少し離れてポコンと存在していて、山頂が不自然に欠けたような形をしているのもあって、妙に目立つ。
一般的には、第二次世界大戦終了間際に本拠地候補とされ、巨大な地下壕があることや、群発地震の震源地として有名だけど、
天狗伝説
UFOの目撃情報
世界最古のピラミッド説
他にもいろいろ
数多くの不思議な言い伝えがあり、ミステリースポットとしても注目されているらしい。
ずーっと興味が無かったのに、最近名前を聞いたりしたせいか、気になって、長野に帰ったら行かなくちゃ、と思っていた。
それで、久しぶりに登って来た。
私が小学校低学年だった頃、今で言うハードなスピオタの母は、ピラミッドパワーに夢中だった。
ムーを定期購読していた。
付録に付いてくるツタンカーメンやマチュピチュのポスターがトイレに貼ってあるような家で育った私と妹は、
「皆神山はね、ピラミッドなのよ。すごい山だから行かなくちゃ。」
ムー情報だったのかどうなのか、おおよそそんな理由で、この場所に連れて行かれたのだった。
イヤイヤだった気がしていたけれど、妹が言うには、
「洗脳されて、二人ともピクニックだ!ってはしゃいで行ったよ。」
と、私の記憶とは違っていた。
とにかく、それ以来だった。
途中から歩いて登って、大きくてカラフルな毛虫に出あったことと、ひと気が無くて、それほど楽しくはなかったこと位しか覚えていない。
ピラミッドらしさも、神聖な空気もわからなかった。
静かだったせいか、何となく怖いイメージが残っていたけれど、実際に足を踏み入れてみたら、温かく迎えてくれるような優しい雰囲気が山肌から立ち上っていた。
また、来られたことが思いの外嬉しかった。
たくさんの神様が祀られていて、皆の神の山と呼ばれるのも分かる気がする。
熊野出速雄神社(皆神神社)の、更に奥へ進むと富士浅間神社がある。
ここの参道の空気が一番好きだ。
仄かに楽しげで女性的。愛されているような安心感すら覚える。
そんな風に思えたのは、あの頃の自分に逢えたからかな。
遠い夏と近い夏へ。
思いがけない里帰りだった。




