箱根 4.22 | 9条ピースウォーク・リポーター・リレー

箱根 4.22

考えてみると、前回のウォークから離れて既に一ヶ月も経っていた。
今回が私にとっては二度目のピースウォークになる。前回は、京都で。今回は、箱根で。
私個人の記憶は、京都でのウォークのままだったのに、
こうしてピースウォークは確実に東京に向かってきていた。
日々、ウォーカーたちの足は動き続ける。
 
今日は箱根峠を登る。
見渡す限りに広がる緑の山々、所々に見え隠れする山桜の薄ピンクはやさしく、
空の青はどこまでも広くて綿菓子のように雲はそこを泳いでいる。
道端に咲く幾種もの花々に励まされ、私たちは登り道を一歩一歩進む。
こちらが歩けば、山も動き、止まれば、山も止まる。
大きな山々を背景に私たちはちっぽけだけれど、日本山妙法寺の方々が纏ってらっしゃる黄色い袈裟は
光を浴びてまぶしい。

 京都では防寒具を携えて参加したのに、今回は半袖ですら汗が止まらないくらい。
滴る汗をぬぐいながら、歩く仲間と励ましあって私たちは歩き続ける。
京都とは全然違って、今回の山道には人がほとんどいなく、
配るためにポケットに入れたフライヤーもなかなか減ってはくれない。
けれど、そのかわりに大きな自然が見守ってくれるのだけれど。

 静かな山の中で聞こえるのは、「南無妙法蓮華経」というお経とウチワ太鼓の響き、
そして鳥の声。
足の裏にはすっかり肉刺が出来てしまっていて、きっとそれがつぶれてしまったから
ちくちくと痛むのだけれど、お経の音に合わせて私の足は前に進み続ける。
私の前にも後ろにも、確かに間が開いてしまったりするけれど、
ちゃんとそこにウォーカーたちがいて、みんな同じように足を動かしてる。

今このとき、みんなは何を考えてるんだろう?what are you thinking about now? 
もちろんちゃんとは分からないけど、なんだか同じようなことを考えているのではないかな、
なんて思ったりして。風が気持ちよくて、肌にしみる。

長かった今日のウォークが終わったとき、
私は汗でべとべとになったTシャツを背中にくっつけてたのだけれど、
みんなで思わず拍手する。そして「ありがとうございました!」

今日のウォークは今までわたしが参加した中で、
一番体力が必要で、そのため一番言葉数の少ないウォークだった。
けれど、ウォーカーたちが通じ合っているのだなと一番感じることが出来るウォークだった気がする。
「大家族みたいだね。ほんとに。」って言っていた。
2ヶ月半という長いウォークを通して、たくさんの人がこのウォークに関わり、
目にする。と同時に、その中でウォーカーたちも数え切れないたくさんの光景を目にし、
そしてたくさんの記憶を共有しあってゆくのだなと感じた。

また私は東京に帰るのだけれど、それには今日は気持ちのいい日すぎるかもしれなかった。
本当はもうちょっといたいなって、来るたび思ってしまうから。

ピースウォークも、残りも少しになってきた。
ウォーカーの皆さん、体を壊さないよう元気にウォークし頑張ってください!


まちこ