花言葉は『君を忘れず』 -13ページ目

花言葉は『君を忘れず』

忘れたくても忘れられないこともある
笑って、泣いて、歌って、花になれ。

 入院しているとはいえ、基本検査入院のため、健康状態が続く時も多い。今も夜風は自由に行動できるいたって健康な状態だった。

「晴香ちゃん、そこにいるダメ猫が迷惑かけてない?」

 相変わらずやさしい口調ではるかに話しかける夜風。

「べ、別に。」

「そう、ならいいんだけど。」

「人をダメ猫呼ばわりするなよ。そこの居候猫。」

 すかさず言い返す帝。だが、夜風に口では勝てなかった。

「居候はひどいなぁ。だれにも迷惑かけてないし。少なくとも、女の子に日常茶飯事助けてもらってるようじゃ、一生ダメ猫のままだよ。」

 返す言葉のない帝は、悔しそうに舌打ちした。

「な、なんで二人とも猫なの。」

『かわいいから。』

 そこで完璧なハモリ。親友という言葉を形にしたような二人である。それからも、二人は別の世界に入ったように意気投合して話を進め、晴香に立ち入る隙はなかった。

 結局、世間話をして病院を出た二人は、家に帰ることに。といっても、晴香は帝の家政婦のようなものなので、向かう先は同じである。

「別に、家事してくれなくてもいいんだぞ。」

「なんだよ、邪魔か…?」

「そうじゃない。いつまでも迷惑かけるのは悪いしな。」

「…夜風に言われたのが響いたな…?」

「ち、ちげーよ!馬鹿!」


夕陽のせいか、赤らむ帝の頬に、若干ひいたような悔しいような感覚の晴香だった。