花言葉は『君を忘れず』 -11ページ目

花言葉は『君を忘れず』

忘れたくても忘れられないこともある
笑って、泣いて、歌って、花になれ。

 帝の家は一人暮らしの割に豪華といえる大きな家だった。

「いっつも思うよ。お前がこの内に住んでる理由がわからない。」

 晴香が嫌味っぽく言った。

「仕方ないだろ。ここに放り込まれたんだから。」

 帝自身、自分には広すぎると思える家だった。電気代や水道代は親が支払い、家具も一式揃っている。

 ―――変な目で見られるよな…。俺一人だと。

 親はサラリーマンだが、ただのサラリーマンではなく、主に小説を取り扱っている出版会社の上層部に所属し、そこそこな給料を得ていて、家庭内は潤っていた。だが、帝にはそんな出来過ぎた家が気に入らず、一人暮らしをすると親に無理いって出て行った先が、この家だった。前は別荘として使っていたそうだが、かなり広いうえに豪華だ。これでは意味がないと、帝がシャンデリアなど、邪魔なものをすべて親のもとに送りつけ、一人で暮らしている。

「まぁ、家が広ければ、俺も存分に伸びれるしな。」

 晴香が大きなあくびをし、ソファに寝転んだ。

「お前な、人のうちで勝手に伸びるな。ていうか、何しに来たんだよ。」

「決まってるだろ、お前の面倒見に来てやったんだ。」

「結局おれに夕食当番任せてるじゃねーか。それじゃ飯食いにきたのと一緒だろ!」

「ん、そうともいう。」

 あっさりと認める晴香に、大きなため息を漏らして、キッチンに向かった。

 ―――夜風、早く退院してうちに来てくれ…。このバカ女だけじゃ心もとない。

 心の中で夜風に応援を呼んだ帝は、夕食を作り始めた



 帝は軽く見ていた。夜風の容態を