金商法にのっとった原●商法?
(念のためですが、いつも通り筆者の個人的な意見です)
先日、銀行口座を開設するのがどんなに大変か、という趣旨の記事 を書き。
本石町日記さん にも、取り上げていただいたのだが。
金商法で個人投資家保護、なんて金融庁は言ってますが。
金商法さえ守っていれば、個人投資家保護の観点から問題ないのか、という疑念が湧くことが。
某ノンバンクが、このご時世に5年のCBを1500億円も発行する、ということで。
それも、個人向け。
話に聞くと、発行条件はクーポン1%で、転換価格は現在の株価の20-30%増し、らしい。
(仮条件らしいので、変更の可能性あり)
でもさ。
ここの会社の5年のCDSスプレッドって、10%超えてますよ…。
http://www.j-cds.com/jp/index.html
CDS取引できるの、機関投資家だけだから。
単純な比較は出来ないが。
この銘柄、ヘッジしたい人はいるけどリスクとりたい人は皆無なので…。
機関投資家がこの会社の信用リスクを5年とれば、毎年10%もらえる。
5年間、信用事由が発生しなければ(=つぶれなければ)元本100%を保証することで元本の50%もらえるってことなのだが。
それに引き替え、個人投資家向けCBの条件、あまりに見劣りがするような。
いくらボラティリティ高いって言っても。
そんなに株のコールオプションの価値があるとも思えず。
そもそも、転換社債って。
実は、個人投資家が普通に購入できる金融商品の中でも、もっともリスク評価が複雑な商品。
だって、転換社債って。
アメリカンの株のコールオプションと。
社債としての満期までの金利リスク、信用リスク。
アメリカンの債券のプットオプション、それも株のコールオプションとのコンティンジェントで、信用スプレッドと金利水準の上下で価値が変わるやつ、を組み合わた金融商品。
って、何言ってるか分からない、と思ったあなた、あなたは正しい。
それぐらい複雑な金融商品ですから。転換社債って。
そんだけ複雑な商品だから。
高齢者も含む、個人投資家には。
この転換社債が高いか安いか分からなくても、当たり前。
個人向け社債とかが、機関投資家向けよりも悪い条件で発行されるというのは、なくはないのだが。
たとえば発行中止になったシティのサムライ債とかも、どうなのよ、って思ったが。
ちょっと今回は、差が激しすぎるような。
それに、CDS市場が予想する5年間の倒産確率も、相当高いわけで。
金商法さえ守っていりゃ、個人投資家が保護されるっていうのは、なんだか違うような気が。
というか、金商法的にも「投資家の適格性の原則」の面から、よろしくない気がしますが…。
私の専門外のことなので、思い違いがあれば申し訳ないのですが。
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