格付けの呪縛
とある銀行の、ボードメンバーに呼ばれ、現在の証券化商品市場をご報告。
散々ご説明申し上げたのち。
「格付けを鵜呑みにして商品を買うから、こんなことになるんだ。格付けなんて、一営利企業たる格付け会社が出す、ただの記号だろ」との仰せが。
まあ、そう言うのは簡単なのだが。
いろいろあるなか、自分の判断のみで物を選ぶのは難しく。
モンドセレクション金賞受賞、なんていうお墨付きがあるビールを買ってしまうのと同様で。
特に自分が土地勘ないものの場合。
まあ、いいとしよう。
その後のコメントが。
「市場参加者が疑心暗鬼になっていて、本来スプレッドが拡大すべきでない企業の信用スプレッドまで拡大している」
おっしゃるとおり。
「したがって、財務内容が健全なのに売られ過ぎている企業の債券をセレクティブに買っていくのは、戦略として正しいはずだ。」
御意。
「だから、格付けがAA格以上の欧米の金融機関の債券は、買い場だ」
………。
思いっきりずっこける。
格付けを鵜呑みにしない、って言ったじゃん…。
実話です。