あたりまえのこと
私の仕事では、身体の不自由な方のお宅に訪問して看護ケアを行うことがあります。人工呼吸器を24時間装着されている方、筋肉の病気で立って歩くことができず、手で床を這って生活をされる方、身体が意思とは関係なく動いてしまったり、反対に全く動けなくなってしまったり、それらの症状が時間・場所関係なく出現される方、など様々な疾患を抱えてご自宅で生活されています。 私は、療養されている方々に、ご自宅に訪問して、信頼関係が築けた頃に「今、一番やりたいことはなんですか?」と、問います。その答えの一例を挙げると・うつぶせになってみたい・高級とかじゃなくていいから、お店にランチを食べに行きたい・近場で日帰りでもいいから、キャンプに行きたい・コンサートに行きたい・夜、ぐっすり寝たいというものでした。どの答えも、自分にとっては”あたりまえ”にできていることで、それらのことに気付けておらず、思わず涙が溢れそうになりました。ただ、これらの希望は障がいがあったとしても、協力してくれる人がいれば実現するはずなのです。私は、看護師です。普段は、バイタルサインをとって異常がないか確認したり、清潔ケアをしたり、与薬や点滴など医療ケアが中心です。それは、生活する上で大切なことです。だけど、障がいの有無に関係なく、人として安全・安楽に生活ができ、週に1回、月に1回でも、やりたいことが実現でき、生活が楽しく感じられるような、心が豊かになるようなお手伝いをすることがもっと大切なんじゃないかなと考えました。人の考えや身体の形は、みんな違います。全ての人が生活するのに、不自由がある社会が障がいなのだと思います。少しずつ、自分でできることを見つけて行動していきます