Kさんは仰向けになってずっと咳き込んでいました。


「どうしたの?大丈夫?!」


「Kさん!!」



AさんがKさんの頭を自分の膝にのせました。



Kさんは変な咳をして、泡まで吹き出しました。



笑いながら泣いていました。



「救急車呼んだ方がいいんじゃ??」


「え・・・でも・・・そうする?」



救急隊員が到着しました。


「どうしました?」


「帰ってきてからずっと咳き込んでいて。見たら倒れていたんです。」



Kさんの肩をたたき、救急隊員が問いかけます。


「ご自分の名前と生年月日をおっしゃってください。」


「○○○○です!」「○○年○○月○○日生まれです!」


Kさんは、手を敬礼のように頭にかざし、笑ってみせます。



「酔ってますね。」



異常が無いことを確認し、救急隊員はKさんを布団に寝かせ、家を出ました。



私とAさんとで救急隊員に謝り、見送りをしました。



Aさんが自販機で缶コーヒーを買います。



「あんなに酔って倒れたことないぞ?」



・・・Aさんが缶コーヒーを飲もうとした時、アパートからKさんが出てきました。

なんとなく悶々と過ごし、やっぱりAさんが好きだと気づき、電話をかけました。


「やっぱり好きみたいです。もう一回付き合ってください。」


するとAさんは


「いいよ。」


と言いました。



しばらく行っていなかった、Aさんの部屋。


2人で前のようにテレビを見たり、おやつを食べたり。


まるで普通でした。



しばらくすると、玄関があく音・・・


Kさんが帰ってきました。



今までより声をひそめて2人でしゃべっていると、ドアの向こうでKさんが咳をしました。


・・・それが、いつまで立っても止みません。



「大丈夫かな?」


「まずいでしょ!」



そう言ってドアを開けると、Kさんが倒れていました。

私の付き合ったAさんと、Kさんは仲良しで同居をしていました。

同じ夢を持った仲間でした。


Aさんは仕事が忙しくなり、バイトになかなか顔を出せず・・・

私はAさんと会う時間が少なくなり、Kさんに相談をしていました。


初めての彼氏だし、よくわからなくて不安づくしで「もう別れようかな・・・」と言っていました。


私たち3人は同じバイトをしていたので、必然的にKさんと話す機会が増えていきました。



ある日、不安でいっぱいになった私はAさんに電話して「別れよう」と言いました。


Aさんは「別に、いいよ。」と言いました。



次の日、KさんにAさんとは別れたという話をしました。


以後、みんな仲の良いバイト先だったので、変わらず楽しくバイトをしました。


その頃からなぜか、私の家の近くでKさんと遭遇することが多く・・・


Kさんとは「偶然ですね!」と言っておしゃべりして帰ることも増えていきました。