ニュースで有名人の写真を無断で使用したネット広告の投資詐欺についてやっていました。

それを見ながら真っ先に思ったのは、スピリチュアルの世界も全く同じだなということでした。

初めは利益を出させて信じ込ませる。

スピリチュアルも初めに過去や未来などを言い当てて信じ込ませる。


どちらも最初に甘い蜜を与え、麻痺させて嵌らせる。

同じですね。

あとはズルズルと搾取するだけ。


楽して願いを叶えたい。

その欲望につけ込みつけ込まれ、現実を見る目を奪われ失います。




前回のお話。






お祓いが進むにつれ、私に潜んでいた幽霊たちと私自身が感じる体感は、徐々に変化を見せ始めていました。


隠れ潜んでいるつもりの幽霊に、その存在は既にお見通しで私の目を見つめながら問いかけるもくじきびとさん。


私の目にもくじきびとさんの瞳が映る。


必死にもくじきびとさんの目を見ていたはずの私の視界が、焦点の部分から白い光の屈折のようなモヤのような物が滲むように広がり始めました。


問いかけ続けるもくじきびとさんの声が聴こえる。

その声が段々遠くになって行くような感覚。


やがてもくじきびとさんの顔がまるで陽炎の向こう側にあるような、見えるけど白いモヤでぼやけて見えないような、急に遠ざかって見えたり、そんなおかしな感覚になってい

ました。


自分の足でしっかり立っていることも、耳も聴こえていることも自覚しているのに、フッと意識だけが一瞬どこかへ遠のくような、そんなおかしな感覚。



「動揺してるね。」


「不安な気持ちになってる。」



もくじきびとさんのその声に、私の体はゆらゆらと動き出し、そして泣き出したそうです。


実はこの辺りのことは、あまり覚えていません。

私のお祓いを彼がメモしてくれたままを書いています。


そしてこの時が、それまでの段階で揺れが一番強かったそうです。



抹殺抹消するもくじきびとさん。


お祓いは続きます。


次にもくじきびとさんが言葉にされたのは、当時私が習うために通っていた整体の先生でした。


私より10歳位上の穏やかな男の先生。

整体をしながらいろいろな話をする中で、その先生が過去に遭遇した心霊体験の話を聞いたこともありました。




「整体の先生からのルートのやつ。」



もくじきびとさんが言われた途端、私の意識とは無関係に再び力が入りぐっと前に押し出される私の体。


あの先生が、そうなんだ…。


もくじきびとさんの目を見つめ倒れないように踏ん張りながら、私は心の中で少し悲しい気持ちになっていました。


「○○(私の名前)に成り済ました者。」


「その後ろ。奥におるやつ!」



次々とその存在を暴き読み上げるもくじきびとさん。


もくじきびとさんを必死で見つめていた視界が、また滲んでぼやける。

一瞬遠のきそうな感覚になる意識と反比例するかのように、前のめりになる体と限界まで折れそうに真上を向く首。


痛い!苦しい!早く終わって!


心の中では必死にそう思っていました。


「もくじきびとを倒したい。」


「憎いんだよなぁ。」



もくじきびとさんの言葉に、苦しいはずの私は、またしても一瞬フン!と鼻で笑ったのです!

私自身は、全然そんな気持ちや余裕はどこにもないのに!




「おぉ。殺る気マンマンだねぇ。」


「かなり昔のやつ。」


「1000年前だな。」


「1000年経って化け物になった。」



1000年?1000年って!

平安時代!


思わず心の中でつぶやく私。



「さて、対決しますか。」



もくじきびとさんが狙いを定めたその瞬間。


「うぅぅ~!」


まるで歯向かうような、断末魔の叫びのような低い唸り声が私の口から漏れ、死んで1000年の化け物になった元人間は抹殺抹消されたのでした。




唸ったのは私なのか幽霊なのか。



お祓いが進むにつれ、私の体を動かすだけでなく、笑ったり唸ったりと私をより自在に操れる力の強い幽霊たちが、徐々にその姿を現し始めたのでした。



ちなみに、私の視界に生じた白いモヤや陽炎のような物。意識が遠のく感じ。

それは、幽霊が私の前面に出て、私自身はその後ろで薄く消えそうになっていたから。


もしあのまま、完全に消えてしまっていたなら、私はいったい何処へ行きどうなっていたのでしょう。




そしてお祓いは彼の番へ。