「公共投資で需要を作り、日本全体に景気(回復)の波が及ぶようにする。補正は大型にしたい」。安倍氏は内閣発足前からこう訴えてきた。
日本経済は春以降、景気後退局面に入ったとみられる。エコカー補助金など政策効果の息切れに加え、海外経済の減速で輸出が低迷。内閣府も22日発表した報告書で「景気は後退局面にある可能性も否定できない」と政府文書で初めて明記した。12月の月例経済報告では、企業心理が悪化し、設備投資が一段と弱まるなど先行きへの警戒感が強まっている。
13年度予算案は19年ぶりの越年編成となり、国会成立は来年5月にずれこむ可能性が高い。12年度補正予算を10兆円規模とするのは、大規模な財政出動による景気底上げが狙いだ。
防災・減災の公共投資が中心となる見込み。学校耐震化や老朽化したインフラの改修のほか、2兆~3兆円の地方向け交付金などを検討している。財源は11年度の剰余金などをあてる方針だが、与党幹部は「足りない分は国債を発行する」と話す。
前回の安倍政権下の07年度予算で約25兆円だった国債発行額は、12年度予算で約44兆円に拡大した。国と地方の長期債務残高は約940兆円に上る見通しだ。国債発行が増え、国の財政運営に対する市場の信認が低下すれば、国債が売られて価格が急落して利払い費は上昇し、かえって財政悪化が加速しかねない。
新政権は、新たな借金に頼らず政策に必要な経費を賄えるかを示す基礎的財政収支を20年度に黒字化する目標を堅持するが、同時に今後2~3年は景気の落ち込みなどに対応できる弾力的な経済財政運営を行う方針だ。東京大学の伊藤隆敏教授は「中長期的に国債の新規発行をどう減らしていくかを示す必要がある」と指摘している。
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