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第11回、テーマは「雪」
「 積もるものは 達磨一つじゃ まだ足りず」
積もり積もった貴方への想いは、一人でいることを許してくれない。
「白雪を 溶かし固める 浮気者」
雪→水→氷。
「吹けば飛ぶ 風花のつもり あつくなり」
ちょっといいなと思ってたのに、いつの間にやら身を焼く恋に。低温火傷というには少し温度が高すぎる。
「淡雪に 落ちる花びら 一つ二つ」
もはやお馴染みキスマーク。なんか好きなんだろうな。
「口吸いに 雪の上だけ 春が来て」
初心なのだろうか、キスだけで肌が真っ赤に。これも雪のように白い肌、ですね。
「雪ならば 無垢に儚く 消えるのに」
この想いは、白くもないし、勝手に溶けてなくなってもくれない。
以上6句。これで溜まってた分は全部だな……。
第9回、「酒」がテーマ。
「増えた猪口 仲居は布団を 寄せに行き」
(そちらさんが口をつけたなら、まぁ覚悟決まったんでしょうね。こりゃ布団の始末が大変だわ。)
「言い訳に もったいないけど 使わせて」
男の方は甲斐性を見せようとそれなりにいい物を頼んだが、女性の方は、まぁもう一回温泉に入りに行くんでしょうね。
「言い訳に 使った酒が 憎くなり」
これ実は男性目線のつもりだった。「酒を入れて多少長持ちさせるつもりだったんだけど、飲み過ぎてそもそも……。ちくしょう!」
「かきね酒 明けに見る君の 薬指」
掻き抱くように頼った酒の勢いで恋の垣根を避けようとした。「でもその「垣根」は外してはくれないのね。」
「肌に散る 夜の名残が 長く残り」
今気づいたけど、この音の韻の踏み方逆に邪魔だな。アルコールが入ってると内出血とか治りにくいらしいです。
「「寒いから」 酒もシャワーも 君の肌も」
「……温めて」
「酒よりも 私を焼くの 君がした」
舌でもいいし、どストレートに下でもいいし、あるいは嫉妬の炎に身を焦がす私に君がした、でもいい。
以上7句。前回のが尾を引いたのか、なんとなく頭には温泉宿のイメージがつきまとってたような気がする。
次、第7回、「職」がテーマ。これは難産だったような覚えが。
「憧れの 上司の名字 変える紙」
多分女上司と愚直な部下。
「腕まくり 銀のくびきが 目について」
「男の人の腕まくりってかっこいいんだけど、どうしてもあの指輪が嫌で嫌で仕方がないの」
「内線の 714からと メモ渡す」
合言葉なんて単純すぎるくらいでちょうどいい。
「ネクタイを 緩める仕草が 締め付ける」
これ説明いるか?
「制服で 昨日の残り香 閉じ込める」
制服のある職場だから、昨日と同じ服で出勤してもバレにくい 。
以上5句。なんか職場ってイメージ湧かねぇんだわ。
だいぶ溜めてしまったので。第6回、「旅」がテーマのとき。
「トンネルを 抜ける隣は 妻でなく」
不倫旅行編その1。トンネルを抜けるとそこは二人のことを誰も知らない土地であった。
「まま書かず 点々だけで 済ます姓」
不倫旅行編その2。ここでなら夫婦になれる。ここでしか夫婦になれない。
「ほろ酔いを 旅と地酒の せいにして」
不倫旅行編その3。「好きなだけ甘えていいのでしょう?」
「古旅館 浴衣の帯は 解きやすく」
不倫旅行編その4。「帯のせいであって私がそうしたんじゃないのよ」
「紅に染まる あとは摘むだけ 散らすだけ」
不倫旅行編その5。旅館の人もきっと慣れてる紅葉跡。
「朝風呂に 掛け湯だけでは 浸かれまい」
不倫旅行編その6。翌朝。落とすのは惜しい名残も、落とさなくてはならない時間が近づく。
「朝日照らす 首筋紅葉が 幾重にも」
不倫旅行編その7。独占欲を抑えきれなかった男。マフラーを巻きたくない女。
「残り香を 電車の中に 置いてくる」
不倫旅行編ラスト。消したくはないその匂いを、香水で上書きする。知っているのは二人で乗った電車と、布団につけた紅葉だけ。
「道行は 何もかにもが 名残だから」
ここから曾根崎心中編。もうこれは読めばわかる、かなぁ?
「鵲の 橋を渡すは 三瀬川」
「あの川を 貴方が背負って 越してくれと」
これだけちょっと。いわゆる三瀬川伝承。女性は自身を女にした男の背に乗って三途の川を渡るという平安時代にあったらしいと言われている伝承。お初は遊女だから、もちろん徳兵衛の背には乗れないのだろうが、それでも、という句。
「願わくは 一つ蓮と 手を取って」
「願わくは 一つ蓮と 森へゆく」
「貫き合うは うたわれたいが ためでなく」
以上14句。