空売りで知られるジム・チャノス氏に近い筋によると、チャノス氏は何年も前からオートノミーの経営を警戒しており、買収合意を受けてHP株の空売りを始めた。
しかしリレーショナル・インベスターズの共同創設者で「物言う投資家」のラルフ・ホイットワース氏にとっては、HPへの関与を強める好機に見えた。ホイットワース氏のファンドは買収合意発表後にHP株175万株強を購入し、同氏はHPの取締役ポストを得た。ことしは保有するHP株をほぼ倍に増やした。
その後オートノミーの不正会計が発覚してHPは88億ドルの減損処理を実施。どうやらチャノス氏の判断の方が鋭かったようだ。
<参入障壁>
リレーショナルによるHP株の大量購入が喚起したのは、急速に進化するハイテク業界においては腕利きの投資家でさえ判断を誤るということだ。この業界では、かつて世界的な注目を集めたカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)<RIM.TO>や米ヤフー<YHOO.O>でさえ、瞬く間に時代遅れになり得る。
ハイテク業界は、企業が難攻不落の市場を打ち立てたと思った瞬間に、ライバルが華々しい新商品をひっさげて登場し、打ち負かされる場所だ。ちょうどアップル<AAPL.O>が「iPhone(アイフォーン)」によってRIMの「ブラックベリー」の牙城を崩したように。
ハイテク企業がその優位性を失い始めたことを示す警戒信号の1つは、専門分野外で新規製品ラインを獲得しようと企業買収に走ることだ。抜け目ない投資家はまた、経営陣がころころ変わったり、成功していた中核事業に影が差し始めた企業も要注意だと言う。
HPの場合、1999年以来、最高経営責任者(CEO)が4人も入れ換わっただけでなく、コンピュータープリンタという中核製品の需要が減って次の主戦場を見出すのに苦労している。
またヤフーはCEOが6人目となり、グーグル<GOOG.O>に追い付くのに四苦八苦だ。
ハーキュールズ・テクノロジー・グロース・キャピタルのアナリスト、カウシク・ロイ氏は「(ハイテク業界は)新たな人材と資本を引き付け、新しい企業が次々と誕生し、既存企業を破壊し尽くす可能性がある業界だ。言い換えれば、昨日の勝者があっという間に今日の敗者に転じたり、その反対が起こり得る」と話した。
<赤信号>
企業が買収を仕掛ける際、一部の投資家は中核事業が不振に陥ったサインだと見る。T・ロウ・プライスのポートフォリオマネジャー、ジョシュ・スペンサー氏は、アップルやサムスン電子<005930.KS>のような最も成功しているハイテク企業は一般に買収を行わず、自社で新製品を開発すると指摘する。
ウェルズ・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクター、マーガレット・ペーテル氏は、HPに最初に警戒信号が灯ったのは、フィオリーナ元CEOが2002年にコンパックを250億ドルで買収した時だと言う。
<割高になった株価>
アップル株が過去3カ月間で約30%も下落したことについて、一握りのファンドマネジャーは黄信号が灯ったと見ている。
共同創業者スティーブ・ジョブズ氏が死去して以来、ダブルラインの共同創業者ジェフリー・ガンドラック氏は「商品のイノベータ―がいなくなった」として投資家にアップル株の売りを勧めてきた。
ガンドラック氏は610ドル前後でアップル株を売り始め、425ドルまで下がり得るとの予想を維持している。
グローバル・ファイナンシャル・プライベート・キャピタルのクリスチャン・バーテルセン最高投資責任者(CIO)は、「アイフォーン5」への期待は過剰だったとして、秋以来アップル株の投資を減らしている。
バーテルセンCIOは、アップル株が670ドルを付けて以降、投資を劇的に減らしたと説明。「当社の見方では、この秋に(アップルの)灯は消えた」と話す。もっとも、アップル株は年初に比べるとなお約25%高い。
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