こんばんは。
Dice.K.Crosbyです。

実は近々マイクを新調する予定でして、何を買おうか悩みまくっております。
マイクの耐久性、音質、コンパクトかどうか、自分の経済力に合った物なのかなど、頭を絞っていますが決められません(笑)
購入したらまたご報告させて頂きます。

さて今日はタイトルに書いた通り、マイクロフォン普及後の歌唱表現について書きます。

1・ベルカント唱法


マイクロフォン普及後と書きましたが、まずは普及前から伝わる歌唱法「ベルカント唱法」に触れておきます。

マイクロフォンや録音技術が普及する1920年代以前、人々はCDやラジオやレコードで音楽を聴くことが出来ないので、音楽を聴くと言ったら劇場へ足を運んで聴くしかありませんでした。
その時代の歌手には当然、豊かな声量が求められました。声量がないと楽器の音に声が埋もれ、劇場の奥まで歌が届かなかったのです。

その時代にオペラ歌手が取り入れていたベルカント唱法は腹式呼吸をベースとし、身体全体で声を支えて喉に負担をかけずに豊かな声量で伸びやかに歌うという物で、劇場の奥まで響き渡る声量を発揮できるのです。

2・クルーナー


1928年、ノイマンの量産型コンデンサーマイク「CMV3」が普及し歌唱表現に革命が起こります。

ベルカント唱法とは全く異なり、マイクに向かって低い声で囁く様に歌う人たちが出てきました。クルーナー唱法と言います。 

声を張り上げなくてもマイクロフォンが拡声してくれるので、繊細な歌唱表現が出来るようになったのです。

フランク・シナトラビーン・クロスビーディーン・マーティンなどがクルーナーシンガーとして有名です。


また、マイクと同時期にラジオの普及や録音技術の発展が重なった事で、クルーナーシンガー達の歌声は大衆にドンドン届くようになり、人気を博します。まるで耳元で優しく語りかけてくるような歌い方がウケたのです。
最近だとビリーアイリッシュもクルーナーぽい歌い方をしてますね。


3・ロカビリー唱法

1954年、エルビスプレスリーのThat's all rightがラジオで流され大反響を起こしました。


クルーナーの人気は1920年代から1950年代まで続きましたが1956年にエルビス・プレスリーがデビューし、その今までになかった斬新な歌い方は人々の度肝を抜いてシンガー達にも大きな影響を与えます。

エルビスは前述したクルーナー唱法(Can't help falling in love with youなど)も得意としてましたが、独自の歌い方を色々発明しています。

その一つがしゃっくりの様に声をひっくり返して歌うヒーカップ唱法。
カントリーの影響が強いと言われるヒーカップ唱法。何処となくヨーデルっぽいです。

Blue suede shoes♪「baby⤴︎」の部分。


日本では大滝詠一さんが「シャックリ・ママさん」というノベルティソングを出しています。

バディ・ホリーもヒーカップを多様します。



次にモゴモゴと歌うマンブリング唱法。


エルビスが低い声で何言ってるか分からないヤツの正体は大体マンブリング。

トニー・ジョー・ホワイトの曲もすっかり自分のものにしてます。


ゴスペルの影響でこの歌い方を習得したとか、歌詞カード付きのCDを売る為にわざとこういう詞が聞こえづらい歌い方をしているとか、この歌唱法を取り入れた理由は諸説あります。
私はスキャットを面白おかしくしてるんじゃないかと思ってますがどうなんでしょう(笑)

また鼻にかけて歌うホンキートーク唱法。

「ンフフ〜♪」ってヤツですね。

後に出てくるロカビリーの歌手はコレらの唱法(ヒーカップ、マンブリング、ホンキートンク)をたくさん取り入れて歌っています。

例えばエディ・コクランジーン・ヴィンセントブライアン・セッツァーなどなど...

4・シャウト

That's all right mamaの翌年、1955年にリトル・リチャードがリリースしたTutti Fruttiが大ヒット!ピアノを叩くように弾き、シャウトで歌うスタイルが注目されました。

BBCのインタビューでリチャードは「俺はただ目立ちたくて、ああいう歌い方や弾き方をやったんだ」と言ってましたが、彼の魂の叫びのような歌をダンスミュージックに取り入れた事はロックン・ロール誕生の瞬間と言われています。


父親が教会で助祭の仕事をしており、子供の頃から教会に通ってゴスペルを歌いピアノを弾いていたリトル・リチャードは当時から物凄い声量だったそうで、14歳にはツアーで歌っています。

彼のシャウトはゴスペルの影響でしょう。


ビートルズ、プリンス、JB、エルビス...多くのアーティストはリチャードのシャウトから影響を受けました。




5.トークボックス


最後にトークボックス。

歌唱表現にコレが入るのかは怪しい所ですが一応番外編として(笑)


69年に「Kustom Electronics The Bag」というトーキングモジュレーターが発売されます。 

トークボックスとは簡単に言うと楽器の音をチューブから出力させ、チューブを咥えた口の中でその音を共鳴させ歌ってる風にするという物です。


トークボックスを用いた2Pacの「California Love」やマイケルジャクソンの「P.Y.T」などの曲がヒットします。

今まで声一つで如何に人を感動させるかと言う時代でしたが、70年代に入ると機械と声を混ぜて歌う所まで来ました。


長くなりましたが、マイクロフォン普及後の歌唱表現をざっくりと纏めてみました。

技術の発展と歌唱表現の広がりは密接に結びついており、その歴史を辿っていくのはとても面白いです。