今晩は、所沢市田中則行です。本日のNHK総合テレビ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第20話「帰ってきた義経 の巻」のあらすじと解説をリポートします。
[第20話あらすじ]
京を離れ、奥州へ逃れた源義経(菅田将暉さん)。しかし温かく迎え入れてくれた奥州の覇者・藤原秀衡(田中泯さん)が程なく死去。これを知った義時(小栗旬さん)は、状況を探るため平泉行きを志願するが、義経の才を恐れる源頼朝(大泉洋さん)は藤原国衡(平山祐介さん)・泰衡(山本浩司さん)兄弟の仲の悪さに漬け込み義経を討つように冷たく命じる。八重(新垣結衣さん)に見送られ、平泉へと発つ義時。一方、捕らわれた静御前(石橋静河さん)は鎌倉で……



第20話解説
◆藤原秀衡 VS 源頼朝
平泉に本拠を構える藤原氏は、特産品である砂金や駿馬、北方貿易などにより奥州に独自の勢力を築いていました。特に砂金は平清盛が力を注いだ日宋貿易の輸出品として重要な意味を持ち、その功績から藤原秀衡は陸奥国の軍事長官である鎮守府将軍に就任します。そしてその後、陸奥国が後白河法皇の知行国となると秀衡は後白河法皇と深く連携。秀衡が治承4年(1180)に平家打倒の挙兵をした源頼朝に対して義経を送り出したのは、治承3年の改変で清盛によって幽閉された後白河法皇の救援と言う側面もありました。
しかし、奥州に対する政治機関心が低かった平家とは異なり、支配領域が隣接する頼朝にとって秀衡は脅威となる存在でした。そこに天才軍略家・義経が潜伏したとなれば、頼朝と秀衡の緊張関係が一層厳しいものになったことは明白です。両陣営の衝突は避けられないものとなってしまいました。





鎌倉殿の13人紀行
◆第20集 岩手県平泉町/奥州市

奥州藤原氏が栄華を誇った平泉。岩手県平泉町の中尊寺の金色堂は平安美術の粋を極めた阿弥陀堂です。
内陣部分は金箔や螺鈿細工で飾られ、奥州藤原氏の絶大な権力を物語っています。基衡が創り、秀衡が完成させた毛越寺の浄土庭園。坂東武者達に影響を与え、ここを模した庭園が全国で造られました。
秀衡の跡を継いだ泰衡は父の遺言に背き、義経へ兵を向けました。

岩手県奥州市。義経が暮らした館は衣川の北側にあったと伝わります。
泰衡の襲撃を受け、義経は最期の時を迎えました。
平泉を訪れた俳人・松尾芭蕉は義経や奥州藤原氏を思い、一つの句を残しました。

「夏草や 兵どもが 夢の跡」



◆高館義経堂 (岩手県平泉町)
交通アクセス:JR東北本線・平泉駅下車 徒歩20分



◆接待館遺跡 (岩手県奥州市)
交通アクセス:JR東北本線・前沢駅下車 徒歩1時間15分 又はJR東北本線・平泉駅下車 車で約5分/JR東北新幹線・水沢江刺駅下車 車で約30分





次回5月29日は第21話「仏の眼差し の巻」が放映されます