今晩は、所沢市田中則行です。24日放映のNHK総合テレビ大河ドラマ『青天を衝け』第32話「栄一、銀行を作る の巻」のあらすじと今週の渋沢栄一を解説します。
[第32話あらすじ]
栄一(吉沢亮さん)は明治政府を辞め、第一国立銀行の総監役として新たな道を歩み始める。開業後、駆け付けた五代友厚(ディーン・フジオカさん)は“商いは化け物”魑魅魍魎が跋扈していると栄一に助言する。その頃、三菱を率いる岩崎弥太郎(中村芝翫さん)は大蔵卿に就任した大隅重信(大倉孝二さん)と結び付きを強め、海運業で急成長していた。そんな中、ゑい(和久井映見さん)が体調を崩し、東京の栄一の元に身を寄せることに。



◆今週の渋沢栄一 (第32回)

◾民に入り、実業の一線に立つ決意をしたことを杉浦譲に伝え、井上馨と共に大蔵省を辞職する

「最初の目的通り“官”ではなく“民”に入り実業の一線に立とうと決意した。お主を誘っておきながら、先に辞めることは誠に申し訳ない」 (栄一)


「僕はここで日本のために尽くす。呼んでくれて感謝している。また共に励めて良かった」 (杉浦)




◾渋沢家を訪れた三井組の番頭・三野村利左衛門から自分の後任に栄一を推薦したと聞くが、三井組のみを富ませることに興味はなく「あくまで合本銀行を作りたい」と断る

「丁度私も、近く三井を引退する考えでおりました故、後任に推薦致しやした!」 (三野村)


「私は三井に入る気はこれっぽっちもありません。私は銀行を作りたいんだ。今のまんまじゃ日本の銀行は良くならない。私は辞めたからにはこの手で日本の規範となる合本銀行を作りたいんです」 (栄一)




◾民間資本による日本初の銀行「第一国立銀行」が開業する。三井組と小野組から一人ずつ頭取りになり、栄一は総監役となる

「おいも西で同志を集め、鉱山の商いをするカンパニーを起こしもした。おいは大阪、おはんは東京で商いをすっこつになる」 (五代)


「先に官から民にくだった者として、一つアドバイスをせんといかん。政府は厄介なケモノの集まりじゃったが、商いの方はまさに化け物、魑魅魍魎が跋扈しておる」 (五代)



◾イタリアから帰国した喜作が栄一の元を訪れる。新政府を辞職し、生糸の商いをすると言う喜作に、惇忠が働く富岡製糸場と静岡の慶喜の元を一緒に訪れようと誘うが、「慶喜に合わす顔がない」と断られる


「なんなんだ!大蔵省に行けばおめぇはもういねぇ。おめぇの変わり身の早さにはついていけぬ」 (喜作)


「近いうちにどうにか、富岡と静岡に行きてぇと思っている。前様に近況を報告したい。廃藩となり、静岡県や御宗家の懐も気になる。お舞えも来ない」 (栄一)


「俺はとても御会いできぬ。前様は俺達が戦うことを望んでいなかった。それなのに俺は最後まで戦い、あげく、多くの御直参を死なせてしまった。合わせる気がねぇ」 (喜作)



◾体調を崩し、渋沢家で療養していた母・ゑいが、栄一達家族に見まもれながら、息を引き取る


《あんたが嬉しいだけじゃなくて、みんなが嬉しいのが一番なんだで》







青天を衝け紀行
◆第32集 東京都・中央区 日本橋兜町

東京都・中央区。日本有数の金融街・日本橋兜町。銀行や証券会社が集まり、賑わいを見せています。

明治期に創建された兜神社は、金融街の守り神で知られています。

日本最初の銀行・第一国立銀行は、この地に築かれました。

和洋折衷の独特な建造物は人々に注目され、神社と間違えた人もいたと伝わっています。
栄一らが自ら草案を作戦した総監役就任契約書には、銀行にかける強い思いが込められています。

栄一は第一国立銀行の近くに居を構え、様々な事業に携わりました。日本の経済の発展を祈願し、栄一は「赤石」を縁起石として自宅に置いていました。
栄一が暮らした日本橋兜町は、今も日本の経済を支え続けています



◆銀行発祥の地 (中央区日本橋兜町)
◆交通アクセス:東京メトロ日比谷/東西線・茅場町駅下車 徒歩3分





次回31日は第33話「論語と算盤 の巻が放映されます。尚、衆議院選挙開票特番の放送に伴い19時10分からの放映となり、『ダーウィンが来た』が休止となります