今晩は、所沢市田中則行です。東京2020五輪大会、日本代表が好調のようです。大会5日目の本日、ソフトボールの決勝で日本代表と米国代表とが対戦し2対0で快勝し金メダル獲得しました。ソフトボールは13年前の北京大会から3大会振りに復活し、日本代表はその時以来となる金メダル獲得となりました。

(NHKニュースWeb 及び NHKニュース防災サイト・7月27日報道より)



◆日本の顔2人が金をもたらす

北京大会の金メダルから13年経過。米国を破り、日本に再び金メダルをもたらしたのは、その時からのエースでチーム最年長の39歳の上野由岐子投手と今大会の活躍で日本の新たな顔になったチーム最年少・20歳の後藤希友投手の2人のピッチャーでした。



◆上野由岐子“競技生活の集大成でエースの存在感”

上野投手は26歳の頃に出場した北京大会で準決勝から決勝迄の3試合を1人で投げ抜き、初の金メダルに導きました。その北京大会とは「180度変わっている」と言いながらも25日の対 カナダ戦では力のあるボールで金属バットを真っ二つに折るなど力の衰えを感じさせないピッチングを続けました。

上野投手は今大会、7日間で4試合に先発。合わせて389球を投じ、大黒柱としてチームを牽引しました。バッテリー組成するキャッチャーの我妻悠香選手は「決勝で投げているようなボールの感じを1週間ずっとキープしている。点数がなかなか入らない試合が多い中でも集中力を切らさず投げきってくれている」とそのタフさを証言していました。

決勝では13年前も顔を合わせたモニカ·アポット投手やキャット·オスターマン投手などとの投げ合いになりました。 「ここまで積み重ねてきた努力や年月を自分自身が裏切りないよう、そして悔いが残らないように最後の最後まで戦い抜きたい」と話しており、力任せではなく緩急を使いながらコースを丁寧に突くベテランらしいピッチングを続けました。

6回に一度降板しましたが、合わせて6イニングを投げヒット2本無失点の好投で勝利を呼び込みました。競技生活の集大成と言える東京五輪最後の試合で、エースとしての存在感を改めて示した上野投手。日本に金メダルをもたらし、競技への恩返しをすると言う使命を果たしました。


◆後藤希友“練習と自信が決勝での好投に”

決勝の舞台にもう1人登板したのが今大会で日本の守護神となった後藤希友投手でした。決勝迄の5試合中4試合に全てリリーフで登板。緊迫した展開の中で9回と⅔イニングを投げ21本の三振を奪い無失点。宇津木麗華監督から強い信頼を得ました。

大会中には「余り想像していなかったような場面で回ってきたりしてびっくりしている。色々な方からのメールやラインも溜まって返せていなくて申し訳ないが嬉しい」と話し、グラウンドで見せる引き締まった表情から一転し20歳らしい笑顔も見せていました。

後藤投手は決勝でも世界ランキング1位の米国相手に物怖じすることなくインコースを強気に攻め、終盤の6回を無失点に抑えました。

今大会で好投を続けた背景にはコントロールの安定がありました。咋シーズンまでは同じコースに2球続けて投げようとすると、2球目が甘く入ることが多くあったと言います。このため普段の投球練習からバッターボックスに人を立たせてストライクゾーンぎりぎりに投げ込むことに意識して取り組みました。地道な練習の成果と五輪の大舞台で好投を続けた自信が決勝での好投にも繋がったと言えます。

後藤投手は「コントロールが良くなって自分自身の求めていたものが今回の大会で出せているのではないかと感じている」と手応えを口にしていました。上野投手も後輩が見せる圧倒的なピッチングについて「彼女はダークホース的な存在で各国にデータがない分、凄くいいピッチングをしてくれている。ダイナミックに投げている姿が凄くチームに勢いを与えてくれている」と試合毎に大きくなっていた存在感を話していました。


ソフトボールは3年後のパリ大会で実施されないことが決まっています。19の年の差があるエースと新星がこの東京五輪で放った輝きは競技の持つ魅力を改めて多くの方々に伝えたことは間違いありません