今晩は、所沢市田中則行です。夕刊フジZAKZAK芸能ニュースにて毎週掲載中の歌姫伝説 中森明菜さんの軌跡と奇跡、今週は過去のフジテレビジョン系列火曜9時ドラマ『古畑任三郎・シーズン1』の第1話に出演し犯人役を演じたことに関する記事で、同ドラマ番組の主人公を演じた田村正和さんが明菜さんの人気少女コミック作家役で犯人役でもあったその演技が高く評価されました。

(夕刊フジZAKZAK芸能ニュース・6月1日報道発表)



名優であった田村正和さん(享年77歳)が今年4月3日に亡くなられていたことが明らかになった。田村さんはテレビドラマを中心に映画や舞台など幅広く活躍してきたが、中でも人気が高かったのがフジテレビジョンで三谷幸喜氏が脚本を担当してきた『古畑任三郎』シリーズである。その記念すべき「シーズン1」の第1話作品(平成6年4月13日)にゲスト出演したのが明菜だった。そこで今回は明菜が出演した田村さん主演の『警部補・古畑任三郎』について記す。



当時を取材した放送関係者が思い返すように語ってくれた。

「1回目は『死者からの伝言』と言うタイトルでした。明菜は殺人犯で出演したんです。人気少女コミックの作家と言う設定だったんです。恋人の担当編集者(池田成志さん)に他の女性が存在していたことを知り、地下の金庫室に閉じ込めて窒息死させてしまう…そして編集者の死を見届けると自ら警察に連絡するものの、嵐で警察が駆け付けるのが遅れたのです。ところがそこに現れたのが田村さん演じる古畑任三郎で、その名推理によって犯罪を暴いていくものでした。当時、明菜は独立して個人事務所で活動をしていましたが、ドラマ出演は93(平成5)年のクリスマスに小泉今日子と共演したスペシャル・ドラマ『瞳に星な女たち』(日テレ系列)に続くものでした。しかし、歌の世界でも才能を見せるだけあって、ドラマでも迫真の演技だったと記憶していますね。やはり天性なのでしょうね」

一方で『古畑任三郎』の出演に関して三谷氏と親交の深い音楽関係者が出演の経緯について語ってくれた。

「三谷さんは実は明菜の大ファンで、ずっと注目し続けていましたね。とにかく明菜はアーティストとしては勿論ですが、コメディエンヌとしても才能がありましたから、三谷さんの感性にもフィットしたのだと思います。で、『コメディー的な独立で組めたらいいな』と言い続けていたのです。そんな中で『古畑任三郎』がスタートしたのですが、やはり最初のゲスト出演は明菜しかいないと思ったのかも知れませんね。田村と明菜の異色の共演が面白いと考えたのでしょう」

三谷氏のキャスティングには明菜自身も満更ではなかったようだ。収録後に感想を聞かれると「怖い役でしたが、私自身としては同じような役ばかりより、とにかく変わった役を演じていきたいと思っていたところもあったので『是非、やらせてください』と喜んで引き受けさせて頂きました。それに殺人犯でしたが、実際には心優しい女性の役でしたので、そう言った部分を上手く表現できるように演じました」とした上で「ドラマは歌番組と違って時間が長いので、共演者の人達と仲良くなれるから大好きなんです。でも、アルバムの製作にも全力投球しなきゃならないので、出るのはなかなか難しいかも知れませんけどね」。

では、明菜とは初共演だった田村さんの評価はどうだったのか?当時、取材したスポーツ紙の放送担当記者によると「女優・中森明菜も高く評価していました。とにかく言葉は少なめでしたが『普段話している時でも、お芝居の時のように雰囲気のある方でした』と話し、収録終了後には花束を渡しながら明菜を抱擁したことを覚えています」



田村さんと明菜の初共演は話題となり、第1回目の視聴率は14.4%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を獲得した。

「シリーズのスタートの数字としては成功だと思います。その後、後半になるにつれて視聴率もアップしていきましたから、明菜出演のインパクトは十分にあったと思いますね。しかも、明菜の回のストーリーは彼女の連行シーンまでは至ることなく終了したのですが、その後の彼女(明菜)の消息について、シーズン2の第1話で明石家さんまがゲスト出演した際に描かれていて、何と裁判で無罪放免になっていたんです。三谷さんならではの流れだったと記憶しています」(放送ウォッチャー)

(芸能ジャーナリスト 渡邉裕二・談)