お早う御座います、所沢市田中則行です。夕刊フジZAKZAK芸能ニュースで毎週掲載中の歌姫伝説 中森明菜さんの軌跡と奇跡、今週は小泉今日子さんとの仲とそのきっかけや音楽祭で小泉今日子さんに向かって生卵を投げつける事件、そして82年音楽賞レースの激戦について報じられました。

(ドコモdメニューニュース及びGoogleニュース内 夕刊フジZAKZAK芸能ニュース・9月1日報道発表)
昭和57(1982)年の「音楽賞レース」はかつてないほどの激戦となった。さる音楽関係者が振り返る。

「リードしていたのはシブがき隊。松本伊代、早見優、堀ちえみ、石川秀美も競い合い、新人賞レースが最も盛り上がった時代でした。ただ賞レースは売れたらいいと言うものではないので、中森明菜はどうしても不利でしたが、小泉今日子も一歩出遅れ感があったことは確かです。小泉と明菜は82年組でもどこか異質な部分があったかも知れません。その構図が色濃く出たのが、この年の新人賞レースの特徴だったかも知れません」

そんな中、今や業界内でも「伝説化」した事件がある。それは明菜が「専門審査員奨励特別賞」を受賞した文化放送主催の「新宿音楽祭」でのことである。

「音楽祭で小泉は『金賞』を受賞したのですが、フィナーレで出演者がステージに一列に並んだところに客席から生卵が飛んできて、それが小泉の頭に当たったのです。その状況に気づいた明菜は小泉の元に駆け寄り、小泉を抱えるようにステージ袖に連れていったのです。一瞬の出来事でした」(プロダクション関係者)



思わぬ事態に会場も騒然となったのは言うまでもない。賞レースの本番中に「生卵」が投げつけられること自体が前代未聞であった。

「小泉を狙ったのかは不明です。偶然に小泉に当たったのかも知れません。ただ投げた人物は金賞の有力受賞候補者の熱狂的な男性ファンだったと聞いています。一部の情報ですが、それまで新人賞レースに選ばれなかった小泉がこの時、金賞を受賞したことに腹を立てたファンが一部にいたと聞いています…要するにファンの嫉妬心ではないかと言うことです。勿論真相は分かりませんが、それにしても明菜の咄嗟の行動は大きな話題になりました。本番中ですよ。本来はスタッフがすべき対応。結局危機管理に優れていたと言うか、何事も瞬時に対応できる素質を持っていたと言うこと。新人アイドルの行動としては異例でしたね」(前出のプロダクション関係者)

これらの様子は後にTBSテレビ系列『ザ・ベストテン』で小泉と明菜が司会の黒柳徹子さんと小西博之さんに語っている(平成元年5月)。黒柳さんから「特に仲良くなるきっかけがあるんですって?キョンキョンが酷い目に遭った時…」と訪ねられ、小泉は開口一番「デビューした時にどこかの新人賞でステージに立っていたら卵をぶつけられちゃったんです、古い話ですが…」と告白。続けてその様子について「(生卵をぶつけられて)ダラーッとなっていたら、随分遠くの方に明菜ちゃんが整列していたんですけど、新人なのにテレビに映っているにも関わらずダーッと走ってきてくれて、(ステージの)袖に連れていってくれたんです」と振り返った。

明菜は「あの時は物が飛んでくるのがブームみたいで、あー、また飛んできたなって結構避けていたんです。色々な物が飛んできて、10円玉とか…避けていたんです」と状況を説明。その上で「何か白っぽいものが飛んできて、誰かにぶつかったなって思ったら今日子ちゃんにぶつかっていて、大変って思ったんです。でも最初は隣の人とかが当然、やってくれると思って見ていたんですが、処理がなかったんで私が行って連れていこうと。で、パーッと行って(ステージ袖に)連れて行ったんです」

これも明菜の正義感であろう。小泉は明菜について「本当に優しい人でお姉さんと言うか、あんな優しい人はいないんじゃないかって」とも話していた。



あれから28年。小泉は明菜を「同志」と表現していた。が、実はその時の出来事が2人の関係を更に深い絆としたのかも知れない

(芸能ジャーナリスト 渡邉裕二・談)