今日は、所沢市田中則行です。先週の続きとして先月に近くのツタヤ店で購入した交通タイムス社×京商コラボ企画 ミニCARトップのトヨタ・GRスープラを解説します。その3回目です。 
17年の時を経て復活したトヨタ・スープラ。トヨタのモータースポーツ部門、GAZZO Racingの名を冠したGRスープラは正統派且つピュアなスポーツマシンであること。突き抜けたその性能は多くの人々を魅了する。



■BMWとの技術提携により誕生、トヨタスポーツの伝統を継承

5代目となる新型も78(昭和53)年に誕生した初代から続く「6気筒エンジン搭載FR車」を継承。そのエクステリアだが2014年デトロイトショーでお披露目されたコンセプトカー『FT-1』のイメージに近い。しかし、より強調されたロングノーズとショートキャビン、先代を彷彿させるリヤフェンダー周りの造形、ダブルバブルルーフやライティング類を内側に寄せる手法等、歴代トヨタスポーツのDNAも盛り込まれている。注目は86よりも短いホイールベース(2470mm)とトレッドの関係でピュアスポーツとしてベストなホイールベースとトレッドを優先したパッケージを実施したところである。

インテリアは上下に薄いインパネと幅の広いコンソールで典型的なスポーツカー空間を構築。操作系や構成アイテムを見るとBMWのインターフェイスが使われているが、メーターやシート、そしてドライビングに寄与する操作系の一部はトヨタ専用品である。

パワーユニットは3種をご用意。フラッグシップグレードであるRZはスープラ伝統の3L直6ターボを搭載。スープラ専用にチューニングされており、ターボを感じさせない素直な特性とレッドゾーンまで滑らかに回る気持ち良さが特徴である。SR-ZとSZには出力の違う2L直4ターボを搭載。トランスミッションはATの滑らかさとDSGに負けないシフトスピードとレスポンスの良さを兼ね備えた8速ATを全車に採用している。

サスペンションは前輪がダブルジョイントストラット、後輪がマルチリンク。フロントはよりハイパワーエンジンを搭載するBMW・M用を水平展開。一部モデルにはドライブモードや路面状況に応じて減衰力を最適に制御するアダプティブバリアブルサスペンションシステムを採用している。注目はVSCと連動し、電子制御多板クラッチにより後輪左右間のロック率を0~100%の範囲内で無段階に最適制御可能なアクティブディファレンシャルギヤの採用であろう。

走行セットアップはトヨタのマスタードライバーであった故・成瀬弘さん最後の愛弟子の一人であるヘルヴィッヒ・ダーネンス氏がBMWに駐在して実施。トヨタFR伝統の「速さやラップタイムよりも気持ち良さを重視」「限界域でもドライバーを裏切らない」「基本は安定だがドライバーの意志で自由自在にコントロール可能」と言う部分を継承した。






その4へ続きます