こんばんは、所沢市田中則行です。来年春に西武線の新型特急車、001系ラビューが登場しますね。今月6日にGoogle内マイナビニュースの鉄道ニュースで取り上げられました西武池袋線001系ラビューの登場による新型特急車輌が挑む競争に対するニュースを配信します、その前編です。



西武線では先月末に新型特急車輌の発表会見が行われ、愛称を『ラビュー』と発表されました。車輌形式も万単位の番号から切り下げられ、『001』となりました。001(ダブルオーワン)の呼び名は『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』を連想させると言う。西武新宿線・上井草駅付近にアニメーション製作会社、サンライズがあることで、その縁で同駅前にガンダム像があることを契機に沿線の文化を活用し、共栄しようとする西武線らしさを感じた。

(Google内 マイナビニュース・6日報道発表)


発表会見によりますと車輌の動力性能等の技術面は特に触れられなかった。西武線のテレビ宣伝に出演中の土屋太鳳さんも登壇し、デザインとブランドイメージを強調した。車輌形式のルールを変更し、伝統の愛称である『レッドアロー』ではなく新たな愛称を与える。ここに新たなるスタートを予感させ、西武線の並々ならぬ覚悟を見た気がする、なぜなら来年春以降、西武線は新型特急車輌001系ラビューで2つの競争に挑むことになるからである。関東観光地競争と秩父市アクセス競争の2点である。



関東観光地競争は東京都を囲むように存在する短期滞在観光地同士の競争である。伊豆・箱根・富士山・秩父・伊香保・水上・日光等、多数の観光地があり、遠足や合宿旅行、家族旅行、社員旅行、グループ団体ツアー旅行の目的地として競い合っている。これらの観光地にとって鉄道アクセスの速達性と快適性は重要になる。その中で秩父市方面への存在感を増す存在が西武線特急と言える。



伊豆方面はJR東日本東海道本線が伊豆急行線と伊豆箱根鉄道駿豆線へ直通する特急『踊り子』を運行する他、一昨年に『伊豆クレイル』(常磐651すーばーひたちからの改造車)、昨年には東急線も参画し『THE ROYAL EXPRESS』(伊豆急行線2100系リゾート21のリニューアル車)の運行を開始している。再来年にはJR東日本東海道本線で新たな観光特急車、E261を導入する計画が入っている。昭和56年度より使用中の185も中央線から転属されるE257リニューアル仕様に置き換え、サービス全体の底上げを図る。



箱根・御殿場方面は小田急線ロマンスカーの牙域と言える。今年度に新型ロマンスカー、70000系GSEがデビューし、都内区間の複々線化完成によりスピードアップも実現した。富士山方面はJR東日本中央線と富士急行線との連携も強力である。JR総武本線E259成田エクスプレスの臨時列車が富士急行線へ乗り入れ、更に共同通信ニュースの11月5日報道配信『JR、富士山麓に直通特急新設へ』によると来年3月から新宿駅~河口湖駅間を直通する定期特急列車が誕生すると言う。中央特急E353あずさの3輌付属編成が充当されるようである。



日光・鬼怒川方面は東武線が100系スペーシアを運行し、JR東日本東北本線・東武線直通特急も運行している。昨年には新たな特急車、500系リバティがデビューし、東武鬼怒川線でSL大樹の運行も開始した。伊香保・水上方面はJR東日本高崎/上越線が注力し、高崎地区のSL列車も重要なコンテンツになっている。



その他にも高尾山は平成19年度からミシュランガイドに登録され、今月から京王線が新5000系を使用した臨時列車『Mt.TAKAO号』の運行も開始している。奥多摩方面はJR東日本八王子支社が青梅線で『東京アドベンチャーライン』プロジェクトに着手。房総方面では小湊鉄道線が『里山トロッコ』の運行を開始し、いすみ鉄道線のレストラン列車群もある。アクセス路線としてはJR東日本会社線の特急列車より高速バス路線が強いけれど、観光地として魅力が増している。



こうした中、西武線にも秩父観光に注力してきた。一昨年から秩父鉄道線のSLパレオエクスプレスを西武秩父発で運行し、昨年には西武秩父駅の駅舎をリニューアルしている。隣接して『西武秩父駅前温泉・祭の湯』がオープンした。しかし、アクセスする特急列車は10000系ニューレッドアローで25年間変わらず。登場時からスタイリッシュで見慣れた感はあるものの、ライバル達と比較して目新しさは感じられない。



関東地区大手私鉄の有料特急は平成17年にデビューした小田急線50000系VSEロマンスカー辺りから大幅な更新時期を迎え、平成20年に小田急線60000系MSE、平成22年に京成線新AE系スカイライナー、平成29年に東武線500系リバティ、平成30年に小田急線70000系GSEと其々デビュー。西武池袋線001系ラビューは後発ながら真打ち登場のタイミングとなった。「今まで見たことのない新しい車輌」と強調し、発表会見に土屋太鳳さんを起用すると言う意気込みに、先行するライバル達に「勝たねばならぬ」事情が垣間見える。





後編へ続きます