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それから俺と里佳子ちゃんは毎週末会った。
映画に行ったり、美術館や神社・寺巡りをしたり、
スポーツ観戦したりと楽しい日々が続いた。
はっきりと付き合ってくれとは言ってないが、
もう付き合ってるも同然だった。
「今度一泊で旅行でも行かない?」
「いいよ~、行きたい行きたい~」
「行きたいとこある?」
「私、伊勢神宮行ったことないから伊勢神宮行ってみたい。」
最近神社・寺巡りが好きだという里佳子ちゃんらしい場所だった。
「実は俺も行った事ないから是非行きたいね」
「じゃぁ決定ね~
でも、まだ寺岡さんには言ってなかったけど今月末にダイビングしに
バリに行くの。
その後でいい?」
「もちろんいいよ!
バリに行くんだぁ
いいなぁ~
俺なんかもう10年以上海外行ってないよ。
俺もスキューバダイビングやろうかなぁ」
「やりなよ~
それで一緒に行こうよ~
絶対にハマるよ~」
「怖くないの?」
「全然怖くないよ。
気持ち良すぎるくらいだよ~」
俺はそれよりもまず一緒に伊勢神宮に行ける事に
喜びを感じていた。
俺はすぐ次の日に賢島にあるホテルを予約した。
それからも毎週末は必ず里佳子ちゃんと会っていた。
そして里佳子ちゃんがバリに行く前日
「明日からバリ行ってきま~す
今週末は会えないから寂しいね~
帰ってきたらすぐ会える?
お土産も買ってくるから楽しみにしててね」
こんなラインがきた。
「うん、気をつけて楽しんできてね
もちろん会えるっていうか空港に迎えに行くよ
お土産楽しみにしてるよ~」
「うん、ありがとう!
楽しんできます~」
里佳子ちゃんはバリからも毎日何回も写真を
送ってくれたりラインをくれた。
そして里佳子ちゃんが帰ってくる前日の夜中
電話が鳴った
里佳子ちゃんかなぁ・・・
俺はスマホの画面を見た
あっ、雄太かぁ~
こんな時間に電話してくるなんて珍しいなぁ~
いつもはラインで連絡してくるのに・・・
俺はちょっと不思議に感じながら電話をとった
「どぉしたんだよこんな時間に?」
「・・・・」
雄太から返事がなかった
「何だよ?どぉしたんだ?」
「寺岡・・・」
俺は雄太の声が震えているのが分かった・・・・
「初めまして~、里佳子です」
背が小さくてよくしゃべる笑顔の可愛らしい子だった。
お酒も強くてその日の飲み会は凄く盛り上がった。
「寺岡さん、お酒強いですねぇ」
「いや、里佳子ちゃんの方が強いよ~」
「寺岡さん、お酒は何が一番好きなんですか?」
「前まではビールだったけど、最近はワインとか日本酒が好きかなぁ」
「あっ、私日本酒の種類が多くてお魚も美味しいお店知ってるから
今度どっちがお酒強いか勝負しましょうよ」
里佳子ちゃんは自信ありげな顔でそう言った。
「いいよ!俺も飲もうと思えばいくらでも飲めるからね」
「じゃあ、約束ね~」
帰り道、俺は里佳子ちゃんと連絡先を交換した・・・
翌日、
里佳子ちゃんからラインがきた。
「昨日はありがとうございました。
楽しかったです。
昨日言ってた件覚えてます?
来週の金曜日の夜ご都合どぉですか?
寺岡さんが良ければ日本酒のお店予約しておきます」
俺はすぐにラインを返した。
「昨日はお疲れ様~
来週の金曜日大丈夫だよ。
楽しみにしてます」
そして金曜日
里佳子ちゃんと日本酒を何合飲んだか覚えてないくらい飲んだ。
二人とも完全に酔っぱらいだった。
里佳子ちゃんはまた会いたいと言ってくれた。
もちろん俺もまた会いたいと言った。
そして別れ際
酔いも手伝ってかどちらからともなくキスをした・・・
次会う約束もして
俺は嬉しい気持ちを抑えきれず
自然と笑顔になりながら歩いていた
たぶんすれ違った人達は気持ち悪く感じただろう
やっとこれから楽しくなりそうだな~
これからのことを思うと幸せでいっぱいだった
ただ・・・
神様はまた俺の幸せにストップをかけようとしていた・・・