30 アルマーニ(ARMANI)のコートの芯地剥離  | クリーニング業者や主婦が「洗ったら思わぬ結果になった」あらゆる衣類を復元!

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では昨日の予告通り、今回はクリーニング屋さんからの

 

「アルマーニのコートの芯地がくしゃくしゃになった」

 

というご依頼品の復元記事です。

 

お電話の後、宅急便が届きました。

 

 

なぜか個人名でも届きます(笑)。

 

 

開けてみると、

 

 

 

 

 

中ワタの入っているコートです。 たしかに不自然なシワが全体

 

に見られます。

 

 

 

 

 

エリにもワタが入っていますが、やはり変なシワが出来てます。

 

 

 

 

 

説明書きには、

 

「(要約)このコートの表生地にはポリウレタン樹脂を貼り付けてありま

 

す。 ・・・・  」

 

と書いてあります。 特に

 

○クリーニングは専門店にお出しください

 

○2年ほどで寿命が来ます

 

という部分は引っかかります。 専門店に・・・と書かれると、今回の

 

ように失敗すると、メーカーさんは決まって、

 

「そこは技術力が低いからなった」

 

という言い方をするからです。 また2年で寿命がくるために強度劣化

 

その他の状態になることがある、ということですが、決して安くない

 

ブランド品コートがこんなに短い寿命の素材を使っていることは

 

承知の上でお客様は購入しているのか? と疑問に思います。

 

 

 

ちょっとハンガーに掛けてみましょう。

 

 

こうすると、シワの原因が分かりました。

 

 

 

これは以前もこのブログでご紹介した

 

「ゴアテックスの剥離後の再接着」

 

と同じで(過去記事)、中の接着芯地(おそらく防寒効果のある

 

接着シート)がクリーニング工程で一旦剥がれ、その後、別の

 

位置にくっついたために、中で

 

「くしゃくしゃ」

 

になったことが原因です。  確かに、ご依頼主のクリーニング屋さん

 

は、

 

「洗ってタンブリング(乾燥機で回すこと)したら、なってしまった」

 

とおっしゃっていました。 ゴアテックスのような素材は、熱を

 

加えたり、激しく摩擦されたりすると剥がれやすくなります。 

 

特に水洗いなどした場合は、それが顕著に現れます。

 

 

これを直すには、コートをほどいて

 

中の接着シートを剥がして、新品を貼り直すしかありません。

 

 

では、明日直したところをご覧に入れますね。