CEREC | 琵琶湖を愛する歯科医のBlog

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17年振りに滋賀県帰ってきました(^^)

歯科医療は、日進月歩である。


それは他の業種でも同じやろうけど。
新たな知識を取り入れないものは、廃れるのみ。


今ある知識で乗り切れるのはせいぜい6ヶ月ぐらいのもんやで。



さて、今日は世界最先端といわれるCERECシステムを導入していて、国内でトップのCERECドクターが居るという、某歯科医院へ見学に。

夏休み2日のうち1日を充てるほどやから、その体験の貴重さがわかるかしら。




歯を削る
 ↓
型を取る
 ↓
詰め物を詰める





というこの作業。
通常は2回以上かかる。

が、CERECはコレを1日、いや、一本の歯なら1時間程度で終わらせてしまう。
(※条件がそろってる場合)


材料はいろいろ選べるが基本的にはセラミック。
通常、セラミックは形を作ってから焼くが、CERECは焼かれた塊から削りだす。(※ 場合によってはミリングしてから焼く)

そう、CAD/CAMなんよね。


物性も均質やから優れてやろうし、なんせそのコンピュータ操作が好きな俺には向いてそうな修復方法やった。

Photo shopが使えたら使えるんちゃうかな?




PFM(←俗称、メタルボンド)なんかでも、たまに気泡が入ってたりとか、表層が粗造やったりするけど、元が麻雀パイみたいなブロックやから、その心配は無いに等しい。
言っちゃ悪いけど、世に出回ってるPFMって殆どヘタね。


しかも、歯と歯茎の境目は必ず黒っぽくなる。
プレシャスのPFMでも、カラーレスのPFMでもなってる。

その点、CERECは綺麗よな。


保険の銀歯なんてのは、くっついてるけど、いくらちゃんとくっつけても実際は隙間だらけ。
セメントも、すぐ崩壊するしな。
その隙間から虫歯にまたなる。

それに、どの世界にも駆け出しという奴はいる。
銀歯を作るのは、通常駆け出しの奴、という技工所も少なくないはず。
というか、普通ならそういう事になる。

そんな感じで作ったものやから、患者さん本人が満足するかは別として、形態面・機能面では良くない。

見た目が悪いのもモチロン、物性から言っても銀歯を口に入れるのは俺なら絶対イヤやな。

まぁ、お金はかかるけど、旅行とか服とかを諦めれば出せない額ではない。
長い目でみたら、間違いなく銀歯はソンよ。


築盛も結合もさせない、塊からの削りだしやから、将来的な持ちもPFMと比べてもいいやろうな。
リューサイト系のセラミックを使ってるっていうことやけど、リューサイト系っちゃそもそも均質なので有名。



物質は、安定してるほうが長持ちする。
これは常識やろ。



そういう観点で言うと、CERECは優れていると思う。

余談やけど、中国でもめてるレアメタル。
CEREC使えば、そんなモン全然関係ないわけよ。

あ、歯科のしかも詰め物、被せモノに関してはやけどな。
(※CERECの機械を作る際に要るっていう話もあるwww)


歯科理工学の好きな俺としては、これは興味あるわ。


ただし、コレもレジンセメントで結局くっ付けるわけやから、操作手技がモノを言うやろな。
表面処理からセメントアウトまで。


あと、実際に触ってみて思ったのは、『パソコンをあまり使わない人が作った感』があること。


画面を注視しながらの操作が絶対やのに、画面が汚い。
もうちょっと、綺麗な画面の製品を選んだらよかったと思う。

次に、ボタンを押した時に『カチャッ』という音がうるさいし、少し安っぽい。
上級クラスのパソコンとかなら、もうちょっと耳障りにならない音がする。

加えて、トラックボールの存在。
医療の現場やから、場合によっては唾液などがついたまま操作することもあるやろう。
そういう場で使うものにトラックボールとは、清潔面からいうとイケてない。
どうせなら、タッチスクリーンか、ペンタブレットを採用すれば、殆ど全てが平面で構成できたから、消毒もしやすいと思う。


そして、余談かも知れんけど、コレにこそ“3D”を取り入れるべきやと思ったね。

画面上であらゆる方向から見ることができるんやけど、どうせなら、3Dで見れれば、はるかにイメージが取りやすい。
家庭用の液晶テレビじゃなくて、こっちの開発しなさいよ。
レントゲンとかも3Dで見れたら物凄い便利やのに。


というわけで、今後も注目の方法でした☆