「大洗にも星はふるなり」 公開中
舞台は茨城県大洗にある海の家“江ノ島”。
夏も過ぎて、秋も過ぎ、海風が沁みるクリスマス・イブ。
未だ取り壊されることもなくひっそり佇む海の家に
ちょい不良(ワル)オヤジのマスターと、
夏の間一緒に働いた個性豊かなバイト仲間が
彼らのマドンナ・江里子の手紙で集められた。
お互い、自分だけが呼ばれたと思っていた彼らは
他のメンバーが来ていることに驚きを隠せない。
そして誰が一番江里子を愛しているか、
誰が一番江里子に愛されているのか、
本人不在のまま自己アピール合戦が始まる。
そこへ海の家の取り壊しの勧告のために
やってきた弁護士の関口も加わって
終息するかと思われたくだならい論争は
ますます激化の一途をたどることに...。
監督は福田雄一。
「笑っていいとも」や「堂本剛の正直しんどい」などの
バラエティー番組の売れっ子放送作家として、
また「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」や
「逆境ナイン」などの映画脚本家としても活躍しつつ、
ドラマ「THE3名様」や「33分探偵」の演出なども手がけた。
出演は山田孝之、山本裕典、ムロツヨシ、小柳友、
白石隼也、安田顕、佐藤二郎といった個性あふれる面々に加え
彼らを虜にしたマドンナに戸田恵梨香。
元は監督が座長を務めるブラボーカンパニーが
2006年、2009年(再演)上演した舞台劇を映画化した作品。
とにかくどうしようもなく、くだらなくて笑えます(* ̄▽ ̄*)
「33分探偵」にはまってしまった私は、監督の名前と
「クローズゼロ」シリーズや「鴨川ホルモー」で
全く異なる素晴らしい弾けっぷりを見せてくれた山田孝之さん、
名脇役というにはクセがありすぎな謎脇役・佐藤二郎さんの出演を知り、
これは観ておかなければと前売りを買ってしまいました(^ ^;)ゞ
基本的な舞台は海の家を中心に進んでいく密室劇。
となれば、これでもかってぐらい演者の力量が試されます。
そういったところでは、舞台経験のあるムロツヨシさんや佐藤二郎さん、
大泉洋さんも所属している演劇ユニット・TEAM NACSの
メンバーである安田顕さんらは演劇慣れしており、
観ているこちらも安心して笑えました(* ̄▽ ̄*)
そして「クローズゼロ」での厳つい役がウソのような
山田孝之さんの見事なまでの壊れっぷりも良かった。
これでもかってぐらい気持ちいいストーカーぶりを醸し出し、
そこに「33分探偵」で培った監督の演出が施され、
いちいち可笑しくて、ホントに細かく細かく笑えます( ̄m ̄*)
同じくJUNONボーイ(だったんですね)の山本さんや
ブラザートムさんの息子さん・小柳友さんも頑張って弾けてましたが
惜しかったのはJUNONボーイ(だったんですね)の白石さん。
結構重要な登場人物だったのに、と言うよりも
それゆえに彼の“私演技しています”感を感じてしまい、
ちょっとテンションが停滞してしまいました。
マドンナ役の戸田さんももう少し弾けて欲しかったところですが、
全体的に観れば、やっぱりくだらなくて(良い意味でね)笑えます。
ホントに細かく細かく笑えて、ツッコミどころ満載でした(><)ノ”
タイトルからキテレツ大百科のコロ助が出るかも
と思ってらっしゃる方がいるかもしれませんが、
「ワガハイは出ないナリ。」