「旭山動物園物語~ペンギンが空をとぶ~」 公開中


北海道の旭川市にある旭山動物園に、

新しい飼育係として吉田強が採用される。

集客数が極めて少ないこの動物園に何とか客を呼ぼうと

市の観光課はジェットコースターを園内に作ることを決める。

ジェットコースターのおかげで一時はたくさんの客が入ったが

しばらくするとまた元の閑散とした動物園に逆戻り。

財政的に市からは見放された存在であるため、

懐が広くて、情熱的、スタッフからの人望も熱い

園長・滝山を中心にスタッフたちの集客作戦が始まる。

飼育係による“ワンポイントガイド”や

夜行性の動物たちの生態を見せる“夜の動物園”など。

いくつかの企画を実行に移すが焼け石に水だった。

そんなとき、雄のゴリラ・ゴンタがエキノコックス症という

感染症の病にかかり、そのまま死んでしまった。

幸い、他の動物やスタッフは陰性であったが、

このことを正直に公表した動物園は

マスコミから批判を浴びることとなり、

閉園の危機は刻一刻と迫ってきていた...。


監督はマキノ雅彦(津川雅彦)。「寝ずの番」、

「次郎長三国志」に続き、今作が監督3作目となる。

出演は滝山園長に西田敏行。「釣りバカ日誌」シリーズのハマちゃん。

新任の飼育係・吉田に中村靖日。「運命じゃない人」で注目される。

他に、前田愛、堀内敬子、長門裕之、六平直政、塩見三省、

岸部一徳、柄本明、笹野高史、梶原善、吹越満、萬田久子、平泉成など

もったいないくらいの錚々たる出演者陣。


とにかく泣きました。泣きまくりました(T T)

よくCMなんかで動物は間違いないと言いますが

この作品も卑怯なくらいに、魅力的な動物たちが見られます。

泣きたい方にはもちろん、動物がお好きな方にもお勧めです。

タイトルから、動物園がいかにして成功したかという物語かと

思って観ましたが、どちらかと言えば人間と動物、人間と人間、

そして動物の関係に重点を置かれて作られています。

サブタイトルの“ペンギンが空をとぶ”も最後の方に少し出てくる感じで

他の映像作品でペンギンが水中を飛ぶシーンを見て

興奮した私は少し物足りなさを覚えました。

本当の話という割りにはうまく行き過ぎてたし。

新しい市長を説得するところとかね。

しかし、飼育係と動物の絆や動物同士の絆、スタッフ同士の絆には

感情移入できて、自然と涙があふれてきました。

ところどころCGを使っているんじゃないかと思うシーンが出てきますが、

監督と小菅園長(本当の園長さん)との約束でCGは使わないこと、

サーカスの動物は使わないことが条件に入っていたそうなので、

私が感動したり、驚いたりしたシーンの数々は

すべて動物が本当にとった行動ということになります。

人間が知らない動物たちの心がそこにありました。

そして動物園の存在意義も改めて感じました。

私は小さい頃、動物園や水族館が嫌いでした。

それは単純にかわいそうだからという理由です。

人間の身勝手で捕まえられてきた生き物たちが、

人間を喜ばすためだけに自由を奪われることに憤りを感じてました。

しかし、動物を保護して、研究し、希少種を繁殖させたりする

研究機関としての要素を知ってからは少し考えを変え、

動物園や水族館を楽しめるようになりました。

まぁ保護しなければいけない理由も人間が作ったものなんでしょうが。


動物たちを檻に入れるなと叫ぶ保護団体に対して

園長が動物たちのことを話して、

彼らを黙らせてしまうシーンはすっきりしました。

相手のことを知らずに「守ろう!」などと叫ぶのは

単なるエゴであり、自己満足に過ぎない気がします。

本当の動物を見たければ、自然に生息しているのを

見に行けばいいという市会議員がいましたが

それができたら最初から動物園なんか行きませんo(><)o


映画とは関係ありませんが、今日は猫の日らしいです。

なので、猫の王様↓

案山子の独り言
(C)2009『旭山動物園物語』製作委員会