「ラースと、その彼女」 公開中


ラースはアメリカの小さな町で暮らす

優しい青年で町のみんなに愛される存在。

兄夫婦の家と同じ敷地内に住んでいた。

しかし、ずっと彼女がいないどころか、

自分たちともコミニュケーションをとりたがない

彼を兄夫婦は心配していた。

会社でもラースを思っている女性がいるのだが

彼はそれに気付いていないのか、

気付いていてもアクションを起こさないだけなのか

彼女との関係は同僚のまま。

そんなある日、珍しくラースが兄夫婦の家の戸を叩いた。

いつもはこちらから行っても自分たちを避ける

ラースの行動に驚いている兄夫婦に告げる。

「紹介したい人がいるから、後で連れて行く。」と、

ラースのものとは思えないこの言葉に

兄夫婦はとても驚き、喜んだ。

急いで夕食の準備をして待っていた兄夫婦は

ラースと一緒にソファに座っている女性を見て

さらに驚くことになった。

そこにはラブドール(ダッチワイフ)が座っていたのだ。


監督はクレイグ・ギレスピー。

出演はラースにライアン・ゴズリング。「完全犯罪クラブ」や

「16歳の合衆国」や「きみに読む物語」などに出演。

ラースの兄にポール・シュナイダー。

義理の姉にエミリー・モーティマー。

「ゴースト&ダークネス」や「ケミカル51」などに出演。

ラースや彼女を診る女医にパトリシア・クラークりン。

「エイプリルの七面鳥」や「プレッジ」などに出演。

ラースに憧れる同僚マーゴにケリ・ガーナー。

「アビエイター」や「サムサッカー」などに出演。


「天国はまだ遠く」と一緒に観たのがこれです。

23日までは(名古屋で)やってるので

“公開中”とさせていただきました。


初めは単なるイッチャッテル男の物語かと思います。

が、そこは辛抱強く見守ってあげてください。

ラースを暖かく見守っていた町の人たちのように。

ラブドールにビアンカという名前までつけて

彼女の生い立ちや仕事を話すラースに
どう対処してわからない兄夫婦が話を合わせるシーンや

初めてビアンカを見た町の人々の反応に笑えます。

これは極めて当然の反応と言えるかと思います。

しかし、最初はラースとビアンカのことを

好奇の目で見ていた兄夫婦や町の住人たちの

反応もストーリーが進んでいくにつれて変わってきます。

ラースにとってビアンカが大切な存在だと気付いてから。

ビアンカのことを心配するラースを、

聖母のような優しい眼差しで見つめ、

ビアンカを健診する女医さんをはじめ、 

このおかしなカップルを見守る町の人々が素敵でした。

こんな状況、こんな町が本当にあるとは思えませんが

ひとつの希望のかたちとして素晴らしいものでした。

そして、ラースとビアンカとの関係の変化も見事に表現されてました。

ラースの心の変化がビアンカに表れてくるところは

悲しくもあり、嬉しくもあり、複雑な心境になってしまいました。

寒そうな雪景色が広がりますが、

暖かい人と人のつながりを感じられる作品です。



案山子の独り言
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