「犬と私の10の約束」 2008年公開
北海道の函館に暮らす14歳の少女・あかりは父と母との三人家族。
しかし、ある日母親の病気が見つかり、
医者である父親の病院に入院することとなった。
生活の中心に母親がいたために、
入院してからは父親と慣れない家事をこなしていた。
母親がしばらくは家に戻ってこられないと聞き、
あかりの寂しさは募るばかり。
そんなあかりの前に、ある日一匹の犬が現れる。
犬嫌いの父親をなんとか説得して、この犬を飼うことになった。
見舞いにきたあかりに母親は
犬を飼う上で守ってほしいことがある。と告げる。
それは犬と「10の約束」をしなければならないというものであった...
監督は本木克英。「釣りバカ日誌」シリーズの11/12/13作目、
「ドラッグストアガール」、「ゲゲゲの鬼太郎」などを手がける。
出演はあかりに田中麗奈。
少女時代のあかりに福田麻由子。
父親に豊川悦司。母親に高島礼子。
他に加瀬亮、、池脇千鶴、布施明、
ピエール瀧、岸辺一徳、笹野高史など
作者不明の「犬の十戒」を元につくられた作品。
犬の目線で語られたこの言葉はネットにより世界中に広まった。
以下がその十戒(映画とはニュアンスが異なる部分もあります)
1.私の一生はだいたい10年から15年。
あなたと離れるのが一番つらいことです。
どうか、私と暮らす前にそのことを覚えておいて欲しい。
2.あなたが私に何を求めているのか、
私がそれを理解するまで待って欲しい。
3.私を信頼して欲しい、それが私の幸せなのだから。
4.私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで欲しい。
あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、
友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないから。
5.話しかけて欲しい。言葉は分からなくても、あなたの声は届いているから。
6.あなたがどんな風に私に接したか、
私はそれを全て覚えていることを知って欲しい。
7.私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて欲しい。
私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、
あなたを傷つけないと決めていることを。
8.私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、
怠けているからといって叱る前に、
私が何かで苦しんでいないか考えて欲しい。
もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、
長い間日に照らされているかもしれない。
もう体が老いて、弱ってきているのかもしれないと。
9.私が年を取っても、私の世話をして欲しい。
あなたもまた同じように年を取るのだから。
10.最後のその時まで一緒にいて欲しい。
言わないで欲しい、「もう見てはいられない。」、
「私ここにいたくない。」などと。
あなたが隣にいてくれることが私を幸せにするのだから。
忘れないで下さい、私はあなたを愛しています。
泣くところまではいきませんでしたが、じわっときました。
豊川悦司さんは娘思いのちょっとダメな父親を好演してます。
はっきりわかっちゃうCGの助けもありましたが、
犬の演技もうまくて、いい表情してました。
加瀬亮や池脇千鶴の存在も効いてました。
加瀬さんは雰囲気にあった音楽家を演じており、
関西出身の池脇さんの素っぽいノリも良かったです。
あかりの少女時代を演じた福田さんは
これからが期待できる役者さんです。
ピエール瀧さんは完全に
役者さんのイメージが定着してますね( ̄▽ ̄)b
正直に言うと同じ犬をテーマにした
「いぬのえいが」という作品の方が好きです。
しかし、こちらの作品を取り上げたい理由がありました。
私の家から少し離れたコンビニからの帰り道、
これから犬を散歩させようとしている男性を見かけました。
二匹の犬がいて、一匹は男性の肩に乗っていましたが、
もう一匹はリードにつながれて、しきりに吠えていました。
そうするとその男性はその犬を蹴ったのです。
理由をわかろうともしないで、犬のお腹を蹴りました。
どんな状況であれ、命を飼うことを決めたのなら、
やるべきことがあるのではないかと思います。