「イーグル・アイ」 2008年公開
コピーショップの社員ジェリーは、
ある日母親からの電話で双子の兄イーサンが、
交通事故にあって死亡したことを知る。
兄の葬儀の帰りにATMに寄り、
お金を引き出そうとすると、普段は“残高不足”しか
表示されない画面に“残金75万ドル”という数字が
現れてジェリーを驚かせた。
しかし異変はそれだけではなかった。
アパートに着くと、大家から
たくさんの荷物が届いたことを知らされる。
何だろうと自宅に入り、電気を付けるジェリー。
部屋には所狭しと埋め尽くす見慣れない箱や容器が!
箱の中には暗視スコープや拳銃、狙撃用ライフル。
容器のラベルには硫酸アンモニウムの文字が。
(硫酸アンモニウムは肥料としても
使われるが、爆弾の材料でもある)。
自分の顔の入ったパスポートが多数。
わけがわからず茫然とするジェリーの携帯電話が、
タイミングを計ったかのように鳴り出した。
女の声で「30秒後にFBIが来るから逃げろ。」と。
「どういうことだ?」と電話口に叫ぶジェリー。
すると窓ガラスが割られ、同時に武装した男が飛び込んできた。
戸惑いながらも無我夢中でドアから
逃げようとするジェリーだったが、
出たところで別の男に捕まり床に押し倒されて、
身動きがとれなくなってしまった。
FBIに連行されたジェリーは取り調べを受けることに。
担当したモーガン捜査官はジェリーの言葉に耳を傾けず、
ジェリーをテロリストと決めつけていた。
司法長官からのFAXで何とか電話が許されたジェリーは、
FBIに設置されている固定電話で電話をかけようとする。
しかし、電話に出たのは見ず知らずの、
ジェリーの携帯に電話してきた女であった...。
製作はスティーブン・スピルバーグ。
監督はD・J・カルーソー。「ディスタービア」などを手がけた。
主演はジェリー役にシャイア・ラブーフ。
「ディスタービア」や「トランスフォーマー」に出演。
ジェリーと共に巻き込まれるシングルマザー・レイチェルに
ミシェル・モナハン。「ボーン・スプレマシー」や
「Mr.&Mrs. スミス」や「スタンドアップ」に出演。
他にビリー・ボブ・ソーントン、ロザリオ・ドーソンなど。
すごいスピード感で展開がめちゃくちゃ早く、
一日があっという間に過ぎていきます。
監視大国アメリカらしい発想の作品です。
しかし、こんな荒唐無稽なこと。とはねつける自信はありません。
ジェリーやレイチェルに指示(命令?)を出していた、
アリアという存在でさえも。
この作品においては、何気なく見せている
いつもの日常は、誰かに自分の情報を与えるための
行動だと言っても過言ではありません。
日本でも気付いていない、意識していないだけで、
何ものかによる監視の目はそこらじゅうに光っています。
どのような目的で使われるかも知らされないままに。
それでもこんなことは起きないだろうと、
高をくくっていられるのは、映画というかたちで
表現されているからでしょう。
映画の中でどんなにリアルに感じることが起こっても、
それが作られた世界だと知っているから。
“ノンフィクション”の文字が出ない限り。
このストーリーが“フィクション”であることを祈ります。
カーチェイスのシーンはかなりの迫力で見ごたえがありました。
このためだけにロサンゼルスの街並みをシカゴに似せて、
撮影に何週間も費やしただけのことはあります。
どうやって撮ったのか、車が次々に激突していきます。
ポルシェのSUV・カイエン(新車で約700万円~1700万円)も
悲惨な運命を辿ることに。勿体ないなぁ。