「クレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶモーレツ!大人帝国の逆襲」 2001年公開
舞台は現代のかすかべ市。
「20世紀博」という、万博(大阪万博がモデル)や昔の町並み、
映画やテレビなどが再現されたアミューズメントパークが、
大人たちの間で大流行する。
懐かしさに酔いしれ、子供そっちのけで遊びまわる大人たち。
そんなある夜、「明日、お迎えに参ります。」と
20世紀博の放送がテレビから流れる。
一夜明けると、しんのすけの両親の様子が豹変していた。
朝からお菓子を食べ、寝転がって何もしない。
それどころか、しんのすけたちを邪魔者扱い。
仕方なく、しんのすけは妹を背負い、幼稚園へ向かうことに。
しかし、変わっていたのは両親だけではなかった。
町で見かける大人たちは、まるで子供のように、
遊びまわっていたのだった。
やっとのことで幼稚園についても、先生たちは
しんのすけのことを覚えていなかった。
そして、20世紀博からトラック(オート三輪)が迎えに来ると
大人たちは我先に飛び乗り、子供たちを置き去りにして
楽しそうに20世紀博へと向かうのであった。
しんのすけたちの大人を取り戻す冒険が始まる...。
監督は原恵一。「ドラえもん」に携わり、「エスパー魔美」や
「クレションしんちゃん」を経て「河童のクゥと夏休み」を監督した。
キャストはいつものメンバーに加え、
20世紀博のリーダー、ケンに津嘉山正種。
ケビン・コスナーやリチャード・ギアなどの吹替えが有名ですが、
大河ドラマの常連でもあります。いい声なんです。
以前紹介した、「千年女優」にも参加してます。
テレビの中の声(プロレスラーや芸人)に小堺一機と関根勤。
よく聞くと、全部彼らがやってます(さすが芸達者)。
なんだ、子供が見る映画か。
と言ってしまえばそれまでだが、
これは大人が観てこその映画ではないだろうか。
誰にでもある、昔を懐かしむ気持ち。ノスタルジー。
ただ、懐かしく思うだけならすぐ現実に戻ってこられるが、
その風景が、その町が、そのにおいが現実に存在していたら?
大人はその媚薬に打ち勝つことができるのだろうか?
子供とは何か?大人とは何か?
子供らしいとは何か?大人である条件とは何か?
そして、モノにあふれた現代と、モノがなかった時代。
果たしてどちらが幸せなのか?
町の人々はどうなってしまうのか?
20世紀博のリーダーの選択は?
最後の塔でのシーンは、
「これは本当に子供向けのアニメなのか?」
と思わせるものがあります。
そして、しんのすけの言葉には、
(恥ずかしながら)ジーンときちゃいます。
そして、いつもの“おバカ”っぷりも、もちろん健在です。
「20世紀少年」じゃなくてすいません<(_ _)>