「麒麟がくる」のドラマ中には山のように強烈な登場人物がわんさか出てくる。当初は、いったい誰が主人公?と思うほどの展開が続いていく。そんな中でネット中に長谷川博己自身が、「明智光秀は基本受け身なので、どんどん来て欲しい」という記事を見つけて、他の登場人物を押さえる訳でなく、これからどのように明智光秀という人物を浮き立たせていくのだろう?と思っていた。ところがどっこい、様々に個性を放つ役者さんを受け止め、少しずつ芯の通った、誰も真似のできないキャラクターをじわじわ出してきてる。あの当時はそろそろ群雄割拠、下克上の時代に突入する時代。そんな中で、明智光秀は時代の主人公には少し合わない人物かなぁという感じのはずなのに、大立ち回りする時代の寵児達が未熟にさえ見えてくる。構成や脚本もすごいかもしれないけれど、全ての役者さんを包括しながら派手な立ち回りなくドラマを凝縮させていく長谷川博己って、凄いな、と思う!今価値観が混沌としてきた、この時代だからこそ、際立って見えるのかな。