…私にとって、この団体さんの公演はお芝居とかパフォーマンスではなくて最早人生の一部です。
前回の公演で昼女を頂き、ドラヘブからタイトルを変えた本シリーズでは、生涯幾松を生き抜くつもりでした。勿論、今でも気持ちは変わっていません。
世界線が変わりました。きっとそれは来たるべき運命なんだろうと思いました。
自信がありません。まだ、この役割が、自分には務まるのだろうかと。でも、台本が全て出来上がり、前回の公演を踏まえて、今回この機会がやって来たということは、そういう事なんだろうと、思えるような気もするのです。
と同時に、私は一生愛する人を、絶対に必ず守ると決めたので、そうなのだろうなとも思いました。
言葉の真意は、ぜひ公演を観て確かめて頂ければと思います。
幕末、坂本龍馬とその介添、陸奥陽之助がメインの群像劇です。
去年末に行った公演から、1つ時は先に進みます。今度は私が、船を出します。
…と、お慶役が決まった時に私はブログを更新しようとしていました。言葉が続かなくて、一度封印しました。
公演は昨日楽日を迎えました。
ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました。
私は初日と3日目のお慶を演らせて頂きました。初めてお慶を読んだ時、-Cleio-の真訪由衣さんの陸奥陽之介の隣に立った時、本当に私で良いのだろうかと不安でいっぱいでした。
私に、由衣さんの陽之介を送り出せるのだろうかと。銀龍丸を渡せるのだろうかと、船を、出せるのだろうかと。
終わった今、もっと私に覚悟があればと。それだけです。
このシリーズは由衣さんが、-Cleio-さんが、演出の佐々木総さんがずっと大切にしてきているシリーズだと、私は思っています。
どんな状況の中でも、作品を大切されてきたのを、見れた貴重な瞬間が、貴い瞬間が何度もあったと、思うのです。
由衣さんの想い、陸奥陽之介、坂本龍馬、龍、そして前回の龍の巫女を越えての、今作。
総さんに確認できなかったので、大きな声では言えませんが、私は陽之介の巫女だったのではないかなと、ずっと思っていました。
お慶を、と聞いた時から、力が欲しいと、ずっと思っていました。私の今の力では、由衣さんの、陽之介の巫女は務まらない、あの背中に手を添えてあげるにも、実感が無い、私が彼に誇れるものは、添えられるものは何か、ずっと考えていました。
結んだ今でも、考えています。
私自身が、自信を持てる事は祈る事と愛する事位しか今は手立てが無く…でも愛って、色々な形があると、思うのです。
私は、人としてずっと真訪さんが憧れでした。それはメイフライフルートで出逢った時から。今でもずっと。尊敬しています。女性として人として。
今まで沢山の物を分け与えて頂いてきました。何かお返し出来るものはないか…でも今は何もなく、でも、何とかその背中を、由衣さんの陽之介の背中を押したいととにかくそれだけでした。由衣さんの乗る船を、私が出すんだとと良い気持ちで思って、それだけで精一杯でした。
お衣装に沢山助けて貰いました。靴の踵を足して、視界と世界を高く持って。
セットと照明と、1場のみんなに、海援隊に助けて貰いました。私だけの力では絶対にお慶は無理でした。
周りに、みんなにお慶にさせて貰いました。
…今でもまだまだ早かったのではないかとそれだけですが、とにかく幸せでした。
由衣さんの陽之介が、私の目の前を駆けて行った、初日の幕が開いた時に、あぁ、本当に始まったんだ、始められたんだと、思いたいと、強く思っていました。
Twitterでも残しましたが。
お慶は先を読む女。それは経験なのか何か別のものなのか、勘のいい女で賢い人。吉兆凶兆が読める人。
旅立つ彼に何かを持たせたくて、必ず彼に有益に有効になる何か持たせたくて、小屋入りしてからずっと考えていて、総さんに相談し、由衣さんにお願いして、口付けを贈りました。
(そう考えると、坂本に弁当なり持たせたいって言ったお龍ちゃんと気持ちはまんま同じなんだなぁ…)
私からあなたへ、お慶から陽之介へ、いってらっしゃいと無事に帰還する事を願って、武運をと。口は言霊を放つ場所。お慶の言葉には総て説得力がありました。
そこから彼の未来へ、何か力をと、思って。
とにかくお慶は必死でした。
お姉さまが沢山いて下さった現場だったので、そこにも大変救われました。女性として学びの多い今回でした。
最後纏まらなくなってしまいましたが…龍馬の言葉にあった通り、幕末は終わらないのだと思います。
陽之介が、龍馬を追い掛ける限り、その先に向かって走り続ける限り。
最後、彼の背中が大きく見えました。パンドラの箱の1番底を覗いたような、気がしました。
旅立つ彼の背中に見えた大きなものが更に1つその先に行ったような。
今回も真訪さんには感謝でいっぱい。
毎度ではありますが、幸福でした。幸せでした。
そして、また、必ずや、もっと背負えるものを背負って、彼の隣に。由衣さんの背中をもっと大きな力で押せるように。
ありがとうございました。
まだまだきっと気持ちは溢れてきてしまうと思いますが、1度ここで結びとさせて頂きます。
本当に皆様ご来場ありがとうございました。
由衣さんに、総さんに、今回幕末に集ったカンパニーの皆に敬意と感謝ていっぱいです。
そして、そうでした。
私とクロスして同じ役を分け合ってくれた米村歩夢ちゃんにもここでお礼を。本当に稽古時間が少ない中ありがとうございました。
また幕末で。





