[見所]
ジョン・ウー監督のアクション映画。
1967年香港、スラム街で育った3人の青年は、喧嘩相手のチンピラを殺してしまい、ベトナム戦争中の南ベトナムに逃げ、現地で一旗揚げようとする。
原題:喋血街頭 英題:Bullet In The Head (1990) 日本版DVD
香港映画 131分(香港劇場公開:1990.8.17)
邦題:ワイルド・ブリット(日本劇場公開:1991.6.8)
ジャンル:アクション、犯罪、ドラマ、サスペンス、戦争
監督:ジョン・ウー(吳宇森)
脚本:ジャネット・チェン、ジョン・ウー、パトリック・レオン
製作:ジョン・ウー(吳宇森)
音楽:ジェームズ・ウォン(黃霑)、ロメオ・ディアズ
撮影:林国華、陳沛佳、ソムチャイ・キッティクン、ウォン・ウィンハン
[出演]
トニー・レオン(梁朝):阿B、ビー、ベン
ジャッキー・チュン(張學友):阿輝、フランク
ウェイス・リー(李子雄):阿榮、ポール
サイモン・ヤム(任達華):阿樂、ルーク(暗殺者、フランス系中国人)
ヨリンダ・ヤン(甄楚倩):秀清、サリー(香港人歌手)
ファニー・ユン(袁潔瑩):小珍、ジェーン(ビーの妻)
[ストーリー]
1967年香港、スラム街で育ったビー(トニー・レオン)、フランク(ジャッキー・チュン)、ポール(ウェイス・リー)は幼いときからの親友で、金は無いがビーが結婚式を挙げることになる。フランクが借金してその金を用意するが、喧嘩相手のチンピラのその金を狙われ、金は取り返したものの、頭に大怪我を負う。
結婚式のその夜、フランクは両親に頭の傷について問い詰められ、家を追い出されてしまう。フランクの話を聞いたビーは、二人で仕返しに出かけ、相手のリーダーを殺してしまう。
警察とチンピラたちに追われる身になった仲良し3人組は、海外で一旗揚げようと考え、船でベトナムに渡る。ベトナム戦争も終わりかけのサイゴンは、治安は乱れ、軍人が強盗を働くようになっていた。
彼らは殺し屋のルーク(サイモン・ヤム)と知り合い、現地のヤクザに無理矢理情婦にされている香港人歌手のサリー(ヨリンダ・ヤン)を助けようとする。激しい銃撃戦の中、サリーを何とか助け出すが、サリーは重傷を負ってしまう。銃撃戦の最中、ポールは金の延べ板の入った箱を見つけ、仲間が止めたにも関わらず、金の入った箱を運び出す。
[感想]
ジョン・ウー監督らしく、ど派手な射撃シーンが見物。友情と裏切りの話で、金の延べ板を見つけたポールは、命よりも金が大事だと思っており、結果的には二人の親友を裏切ってしまう。何とか無事に香港に帰り着いたフランクは、香港マフィアの幹部になっていたポールと決着をつける。
香港ノワールだが、「ランボー/怒りの脱出 (1985)」 と「ディア・ハンター (1978)」の影響が強く感じられる。
3人はベトコンの捕虜となり拷問を受けるが、何とか脱出することが出来る。しかし、フランク(ジャッキー・チュン)はその時の銃弾による頭の傷がもとで廃人同様になってしまう。フランクは、ディア・ハンターならクリストファー・ウォーケンの演じたニックに重なる。
ディア・ハンターではクリストファー・ウォーケンの演技が非常に印象的だったが、この映画でも主人公のビー(トニー・レオン)よりも、脇役のフランクの方が頭に残る。
[補足]
元々、この映画の脚本は、ジョン・ウーが「男たちの挽歌3」の為に書いたもの。
「男たちの挽歌3」の制作前に、ジョン・ウーとツイ・ハークが仲違いしてしまい、最終的には、ツイ・ハークが別の脚本をもとに「男たちの挽歌3」を監督する。
両作品ともベトナム戦争が終わる直前の南ベトナムを舞台にしているの偶然ではないだろう。
[お勧め]
香港映画ファン、アクション映画ファンなら一度は見ておいて損はない。
英語版予告編: Bullet In The Head Trailer HD (1990 John Woo)
[ソフト]
日本版DVD(ビーム・エンタテイメント版、国際版)
広東語・北京語音声
繁体字・簡体字・英語・日本語・韓国語・マレー語・スペイン語字幕
画質は悪くはないが、なぜか時々コマが大きく揺れ、昔の名画座のよう。
音質は悪くない
パラマウントよりデジタル・リマスター版のDVDが発売されている