高速道路は広くなったけれど、人の視野は狭くなった。
金は使っているが、得るものは少ない。
物は買っているものの、楽しみは少なくなるばかり。
家は大きくなったが家族の形は小さくなり、ずっと便利になったのにも関わらず、私達には時間が無い。
学のある者は増えたが常識がある者はめっきり減り、その道のプロフェッショナルと呼ばれる奴が増える一方で問題は一向になくならない。
薬が増えたのに、病気がなくなる気配はない。
飲み過ぎ、吸い過ぎ、浪費に走る。
たくさん物を持つ一方で物の価値が目減りする。
私たちはおしゃべりが過ぎる。
愛するということを滅多にしなくなって、いつのまにか憎むことばかりが増えていった。
私たちは生計の立て方は学んだが、生きることを学んでいないのだ。
寿命が増えただけで、真の意味で生きてなどいない。
月まで行けるようになったというのに、隣人とはトラブルばかり。
外側の世界を征服したところで、私たちの内なる世界はどうなんだ?
大規模なことは成し遂げてきたけれど、本当に善いことは未だ達成されていないだろう?
原子核をも支配したが差別は一向に消えない。
沢山書いているのに多くを学ばず、計画は増えたのに成し遂げられていない。
急ぐことばかりを覚え、待つことを忘れた。
多くの情報を抱えるべくコンピューターを作りコピーを生みだしたが、コミュニケーションは減る一方だ。
利益利益で人間関係は希薄。
共働きで収入が増えた分離婚も増え、見た目ばかり良い家が増えたけれど、その中は崩壊している。
手軽な旅行に使い捨ておむつ、モラルはなくなり、ワンナイトラブが溢れる。
テクノロジーはあなたの元へすぐにメッセージを届けてくれるけれど、読むも読まないも、また消すのだって、今やあなたの指先ひとつですべてが決まる。
今はそういう時代なんだ。
忘れないで。
愛する人と多くの時を過ごすことを。
だってその時は永遠には続かないのだから。
忘れないで。
あなたに畏敬の念を抱く人たちに優しい言葉をかけることを。
いずれあなたの元を去ってゆくのだから。
忘れないで。
側にいてくれる人に温かな抱擁をすることを。
あなたが持っている1番の宝であり、しかも1円もかからないのだから。
忘れないで。
愛する人に「愛している」と伝えることを。
その時どうか、心をこめて。
心からのキスと抱擁は、相手の心をも必ず深く癒してくれるから。
忘れないで。
相手の手を握り、共にいる時間を慈しむことを。
その人はいずれあなたの前からいなくなってしまうかもしれない。
愛するため、話し合うため、そして思いを共有し合うための時間を作って。
そしてどうかこれだけは覚えておいて。
人生は呼吸の数で決まるのではなく、どれだけハッとする瞬間があったかで決まる、ということを。
