歯売り屋

a君には悩みがあったのだった
それは歯のほぼ全てが虫歯である事だった
特に思いきり突き出している二つの前歯が既にボロボロになっていた
日も暮れかけ空がピンク色に染まってきた頃〔 歯はいらんかねぇ～ 歯はいらんかねぇ～〕チャルメラ風の帽子を深く被って怪しげな感じのオッサンが ラッパを吹きながらやってきて
尋ねたのだった
一本100円だよ
買う?
まにあっているよ　　　　　　　　　　　　ａ君はまだ飯も食えるし、酷い虫歯だけれどまだ全然痛くないし、なにより生えている歯を自らを抜き新しい歯に付け替えるという
痛そうな行為を嫌ったのだった

ａ君は歩き出し、しばらくすると
何か口の中でコロコロと転がる物がある
舌先でその何かを確かめてみると
歯茎の肉と僅かに繋がっているような気持ちの悪い感覚だった
歯だ！
と、思うのと同時に又他の歯もグラグラしはじめてきた
舌が歯に触れる度に次から次へと抜けてゆく歯にパニックになるａ君はさっきの歯を売る事を生業としていたオッサンを必死で探した
あばばばばあ～～
あばばばばあ～～
あばばばばばあ～
しかしながら既にその姿はどこにもなく
ａ君は 後悔する事になったのだった

いつかは歯の治療をしなければならなかったのに
痛い
めんどくさい
まだ大丈夫という理由で 後回しにしていなければこんな すべての歯が無くなるというより悪い結果にはならなかったのである

gimme shelter

真っ白な部屋の真ん中あたりに独り、僕は体育座りで座っている、
出口は無く、入口にはシャッタアを十枚程締め、 誰も入って来れないよう、注意深く監視をし、たまに外側の様子を覗き見る、
よくこのシャッタアの様な物に破壊行為を行う輩がいるのだが、その人たちは、ハンマーブロスの投げるハンマー、ライトセイバー、素人が扱うと必ず自らのキンタマにヒットをし、自らを危険に晒してしまうヌンチャク、ピコピコハンマーから、ガンダムのパイロットになりビームサーベルで破壊を試みる者、またある時はガンタンクで…
その時一番目のシャッタアで警報が鳴った、シャッタアが破られた！
僕は大声でそう叫ぶと、つんざくようなサイレン音の中、体育座りで顔を伏せ、ガタガタと震えていた、
期待と不安を胸に感じながら

終

自己紹介～ﾏｲﾈｰﾑ ｲｽﾞ ﾀｹｼ～

ロックンロールに命かけ、ロックンロールに金をかけ、ギタァに生活を奪われて、ｷﾞﾀｱと髪をかきむしり、いや 掻き鳴らし、先月ストーンズのCD買いました。お金が無いのに買いました！最近パーマをかけたのに、昔からの友達に、 アレ？おまえテンパだったっけ？といわれる武シです。ブログ初めてです。ヨロシクお願いします。