野村真一郎です。
突然ですがブログ、はじめました!
きっかけは岩の情報を先輩方のブログから得る機会が多く、自分もより具体的な情報を残していけたらという思いからです。
ブログは他のSNSに比べて過去の記事を検索しやすく、かつ細かな情報も書き込めるのが魅力ですね。
この場を通して自分が感じた思いや岩の魅力を皆様と共有していけたらと思います。
文章力が無くて、この記事が完成するまでにかなり時間がかかった。。。
今回は、白道について書こうと思います。
憧れのライン『白道』との初対面は2018年3月20日。
見た目の威圧感から凄くてめっちゃかっこよかった。
そして、白道で最も印象的な一本指ランジ。
予想はしていたけど、いざ触ってみるとやはり実物は強烈だったし、相当悪い。
しかしここで想定外だったのは下部パートで、こっちも相当激悪だった。
ホールディングのほとんどが自分の苦手なオープンハンド系。得意な4本指での握り込みの保持系ではなかった。
一手毎にこなすのがやっとなのにそれが八手も続いていて、繋げられる気がしなかった。
あっけに取られるとはこの事か。。。
白道初日は何も出来ずに惨敗。
当時はまだ外岩の経験値がほとんど無い中でシャンバラやバビロンなどの高難度課題を数回で登れたためか、外岩に対する謎の自信がみなぎっていたからこそ本当に衝撃的だったし、ショックだった。
一本指ランジパート。
この時の敗退は、正直受け入れられなかった。
自分の弱さを認めたくなくて。。。
その後の岩の活動では、自分に合わないラインは避けてきた。
自分の力が最大限に発揮出来そうなラインを見つけては、それを確実に狙うというスタイルを貫いた。
その結果、いくつか成果は残せた。
でもやっぱり、どこか納得出来ない自分がいた。
登りたいと思うラインを全て登るには、必ず「オープンハンド」という弱点を乗りこえなければいけないということを、頭の片隅では理解していたのだと思う。
去年の冬に行った二週間のスイスツアーで遂にその弱点と向き合わざるを得ない場面がやってきた。
それは、クライマーならほとんどの人が知ってるであろう”Off The Wagon”との対面だった。
これがとにかくオープンハンドの究極系のようなライン。
あの時から弱点と向き合おうとしなかった自分に出来る訳がなかった。
初めての海外ツアーだし、楽しめれば良いやなんて安直な気持ちでツアーに来てしまった事をとにかく後悔した。
もしここが日本なら、白道の時と同じように違うラインに逃げ出していたかもしれない。
でも、ここはスイス。逃げ場はなかった。
ただひたすらに自分の弱点と向き合うしかない。
そうは言っても、すぐには受け入れられるはずもなく。
それでも時間は限られているし、その中で天候や身体のコンディションの事も考えなければならない。
スイスに来ている以上は、このツアーを無駄にしたくないという思いが強かった。
そこで、日々向き合う中で自分の弱点を「伸び代」として徐々に捉えるようにした。
それが当時の自分に出来る最大限の手段だった。
そうするといつの間にか、「今よりもっと強くなるための要素」と前向きに考えることが出来ていた。
初めて敗退を経験として受け入れる事が出来た。
今振り返れば、このツアーが大きなターニングポイントだったと思う。
帰国後は、とにかくオープンハンドトレ。
そして、オープンハンドトレの意義を示すためにも、日本での目標を「白道」と設定した。
セットの仕事の合間を縫っては岩にも行き、気がつけば週6くらいで登ってた時も多かった気がする。
指皮が弱いと周りに言い放ってたのに、案外馴れれば連登も出来るという事にここで気づく。。。
本当に普段の様々な言い訳っていうのは、出来るようになってから恥ずかしい。
そして2020年1月28日、約二年ぶりに白道に戻ってきた。
久々の白道は相変わらずめちゃくちゃかっこよかった。
そして、白道久々のトライ。
前回の最高高度を難なく超え、下部パートの核心の1つでもある6手目ポッケ取りも成功。その次で落ちた。
1トライ目からこれは正直相当びっくりしたし、同じラインとは思えない程には楽に感じた。
下部パートの6手目取り。
ここでやっと、オープンハンドを少しでも克服してる実感する事が出来た。
が、結局その日は6手目周辺を超えられず。
下部はずっとトライし続けるのは厳しいので、バチュラパートのモノダイノ練へ。
このパートはやっぱりやばかった。。。
そのまま白道2日目終了。
初日ほどの絶望感はなかったけど、この時点では繋がる気はあんまりしなかった。
その後も白道とは天気に恵まれず、3日目も4日目も5日目も上部のリップがびちょびちょ。
しかし、白道ルーフは雨が降っていても下部から一本指ランジパートまでは一応トライ出来るので濡れてる日はひたすらパート練。そのおかげで下部の精度は確実に上がっているけど、何日経っても一本指ランジが出来ない。。。
そもそも集中的な一本指トレすらしていないのに持てるようになるはずもないと判断し、一旦白道から離れてしばらくジムでモノトレに専念する事に。
そして数週間後、白道6日目。
初めて晴れの日にこのルーフに来る事が出来た。
もちろんホールドの持ち感も今までよりも格段に良い感じだし、時間を見つけては一本指で浮いてたおかげかモノポケットがめちゃくちゃ持てる感覚もある。。。
とりあえず一本指ランジのイメージを良くするためにも、バチュラレットからやる事に。
1トライ目、やはり一本指ランジで落ちてしまった。
ただ、今までと違うのはガストンが止まりそうな感覚が確かにあったこと。
集中して2トライ目、何回やっても慣れない左足ヒールをこなして左手モノポケットへ。そして信じられないくらい一本指が引ける感覚があったので思いっきりガストンへ。
止まった。。。
遂に憧れのムーブに成功。
感動した。
あまりに慢心してしまい、白道を繋げる気に全くならなかったのでこの日はバチュラ2トライのみでこの岩を撤退。
今考えてみれば、白道やっとけやって感じだけど。
この日はとにかく嬉しかった。こんなにモノトレの成果がすぐに出るとは思わなかったし、かなり安定して止められる事が出来た。
なんか既に白道が登れてしまったみたいな気持ちになってしまい、気持ちを戻すのに時間かかってしまった。
この日はその後、花夜叉SDをFLASH出来たのが嬉しかった。
そして白道7日目、再び雨。
待ちに待った繋げトライ日なのに、リップ上は濡れすぎてトライ不可能。。。ショック。。。
せっかくなので、この日は左抜けのバリエーションV13/V14?を成功させて終了。あっけなく登ることができた。
次の日からblocピラニア戦のセットもあったので三時間くらいで撤退。
もう濡れてる日にトライするのはさすがに意味が無さそうなのでやめようと決意。
そして白道8日目。
天気も気温も完璧なコンディションの中で白道と対面することが出来た。
ただ、セット4連勤の次の日で身体のコンディションは最悪。岩に到着しても全くやる気が出ず。
特に、前日Dogwood調布でセットした三段の試登で結構筋肉痛が残っていた。
ルーフは触る気になれないから、とりあえず上にあるアベックルボンとイルマを触ってみる。
すぐ登れたし、なんか異様に調子が良い気がする。。。
連登トレの成果なのかはわからないけど、その日はとにかく身体が軽かった。この身体の感覚へのアプローチが完全に理解出来れば良いのにっていつも思うけど、これだけはいつまで経っても理解が出来ない。
というわけで、白道を繋げることに。
1トライ目は六手目ポッケ取りで落ちてしまったけど、いつもよりホールディングが明らかに良すぎる。かなり自信が沸いてきたのでタイミングを見計らってトライする瞬間を待った。
そして2トライ目。
6手目付近は難なくこなし、オリジナルムーブのトリプルクラッチも成功。
そして、白道としてのトライでは初めて一本指ランジパートに合流。
何回もやりすぎて慣れてしまった左足ヒールをこなして左手モノポケットへ。
半ば現実味が湧かないまま一本指ランジにも成功。右手ガストンが良い位置に入りすぎてマッチに少し手間取ったけど、気合いでマッチしてそのまま終了点の大穴へ。
2020年3月20日、「白道」成功。
白道に関わった期間
2018年3月20日〜2020年3月20日
なんとぴったり2年。
この期間の経験や成長を、成果として現せた事が本当に嬉しい。幸せな事に、とても有意義なクライミングライフを送れていたんだと思う。
敗退。その瞬間はとても悔しいけど、後になって振り返ればその悔しい思いを経験出来て良かったと思うし、この先何回も何回も繰り返すんだろうなと思います。
敗退して敗退して、考えて成功する。その全ての過程に意味があるという事をようやく身をもって理解することが出来ました。
白道という一つの壁を乗り越えられて、ここからまた更にクライマーとして成長していける気がします。
この期間、関わってくれた皆様には感謝でいっぱいです。
そして、2003年に既に登ってるダイちゃんってやっぱスゲェんだな。。。。。
いつか、そう思われる側になれるように頑張ろう。



