『優しい夢』
(A)
夜のすき間を 埋め尽くしてゆく衝動
針の刻みが 不機嫌な今日の終わりを
叫びにも似た 音の歪みに抱かれて
病のように 目を閉じて貴方を想う
(A)
予感していた けれど見ない振りをして
些細なことが 弱気な胸を劈く
戸惑い悩み 行き着く先はいつも同じ
揺れる心と 愛と憎しみと貴方
(B)
無機質な会話を繰り返し
嘘にまみれた時間を重ね
愛の言葉も届かぬほどに
今は遠きあの日のふたり
(B)
貴方という色を失って
白黒の世界にお別れ
せめてひとつだけのわがままを
どうかその手で私を殺して
(S)
胸をナイフで突き刺して
冷たい銃口突き付けて
呼吸するのも忘れさせて
息づく血管切り裂いて
震える指を握りしめて
偽りでもそばに居て
眠りにつくその時まで
優しい夢を 優しい夢を



