彼は前にもこの場所に来たことがあるような気がしていた。

彼はタバコに火をつけた。
赤く光る火をじっと見つめた。

赤く光る中に何かが見えた。

彼はこの場所に来たことを思い出した。

彼が幼い時だ。

緑色に囲まれた、緑色の隙間から白い色が体にあたる。

彼には名前が思い出せないが友人がいた。

その女の子はいつも楽しそうに笑う。

いつも笑う。

彼といつも手をつなぎ。彼といつもケンカをした。彼といつも走り回った。彼と秘密基地もつくった。
彼と宝物を隠した。

その女の子との待ち合わせ場所がここだった。

彼は思い出していた。

緑色に囲まれ、体に黒い色がつく。暑かった。

たった数日だったのに、毎日のように遊んだ気がした。

ある日、いつもの待ち合わせ場所に女の子の姿はない。

彼は茶色をいくつも丸めて女の子が来るのを待った。

結局その日は来なかった。

次の日も来なかった。

その次の日も来なかった。

彼はそれでも待った。

雨の日も親に嘘をつき待った。

それでも女の子は来なかった。

ある日、真新しい制服を着せられた。
着心地は最悪で、なぜ親はこんなものを着せるのか思った。

親の手をひかれ彼は遠くの山へいった。

そこはコンサート会場のように広く多くの人がいた。


あの時の女の子がいた。
笑っていた。

あの時と同じように優しい笑顔だった。

でも…

止まっていた。

白い煙りが目を塞ぎ独特な匂いがした。

緑色に囲まれた女の子は白と黄色と赤に囲まれ気持ち良さそうにしていた。

彼は笑った。

また緑色に囲まれたところに来てくれる。

だってやっと会えたからもう待つのイヤだから。
女の子は小さな小さな箱で眠っていた。

親やまわりの人は目から雨を降らせた。

なぜだろう。

彼だけは嬉しかった。

なぜだろう。

彼の前が映らなくなった。前がぼやけてあるけないくらいに…。雨の水滴が頬に落ちる。

箱は運ばれどこかへいった。


彼は眠りについた。

起きた時にはあの場所にいた。

真新しい制服は緑色に囲まれ白い光を浴びた。

彼は1人で待っていた。
でも女の子は来なかった。

少したち彼も別の場所へ移った。

彼はタバコを見つめた。
秘密基地を探した。
そこにはもう女の子との宝物はなかった。

未だに思い出せない。

女の子の名前と宝物。

彼はタバコを吸いながら。

茶色をいくつも丸めて
そこに花を置いた。

緑色に囲まれ、ほんの少しだけ、女の子と一緒に眠りについた。

楽しかった。


彼女は頑丈な鉄扉の鍵を閉め、ため息をついた。「はぁ~。」
「今日も1日やっと終わったDASH!

仕事あがりにパジャマに着替え、軽い食事をつくり、テレビを観る。

これが彼女の日課だ。

大学の入学と同時に1人暮らしを始めた。

彼女の仕事は事務職が基本。上司に怒られながらも素直ないい子だとまわりからは評判がよかった。

ある日よく怒られている上司のオツボネ様に食事に誘われた。

「ちょっとご飯でもいかない?おごってあげるから!」

彼女は心の中で「いや、おごってあげるから1人でご飯食べて来たら?」と言い返した。

「はい。もうすぐ終わりますので下で。」

彼女は焦った。顔色が一瞬でてしまったと思い。すぐに視線をパソコン画面に向けた。

「じゃ後ほど。」
上司は長い髪を手で束ねながらトイレに向かった。

定時になり彼女はまわりに上司とご飯食べて帰えることを告げ、下に急いで向かった。

上司はまだ来ていないようだ。

「はぁはぁ。まだいなかったかぁ。よかった先で。」

すると前からいつもとは違うスタイルの上司がいた。アクセサリーやメガネは外し、口紅やアイシャドウも薄い。
なんだか若く、大学生のような感じだ。

「お待たせ。行きましょう。予約しておいたの。行き着けの店に!」

彼女は驚きながらもお礼をいった。

店は会社から徒歩五分ほどにある民家の一画のコジャレたレストランだった。カウンターがあり、マスターが小分けにして料理を出してくる。

上司は無言のまま料理とお酒を交互に食べていた。

彼女は緊張しながらも上司に聞いた。

「なぜ私を誘ってくれたんですか?」

上司はお酒を一口飲み答えた。

「誘っちゃ悪かった?」
彼女は焦った「いやいやそう言うことではなくて…。」

上司は笑いながら答えた。「ふふふっ。状態よ!いつもあぁいう言い方して悪いと思ってるの。ただ何故言っているかをわかって欲しいけど…。」
彼女はまた驚いた。心の中では「嘘だ。この女何か企んでる。」と…。

彼女は言えず「あぁ。いえ私が仕事がなかなか進まないのでそれは…ご迷惑をお掛けしてます。」
上司は笑い少しピンク色のから急に青白い顔色に変わり思いもよらないことを彼女にメモでそっと伝えた。

「…あなたにだけ伝える。あなたの家に盗聴機がある。誰にも言ってはダメ!場所はメールで!」
彼女は何かあると察知し頷いた。

上司は食事を済ませるとお金を置き、酔ったふりをして「先帰るわ!酔ったぁ!マスターまたね」と帰路についた。

上司からメールが来た。あなたを採用した人事部のあの男はあなたが大学生の時から狙っていたの!そうストーカー!
大学生時代、あなたの彼があなたの家に行かなくなったのは莫大な金を彼に支払い。彼は金を選び、別れたの。
実は全社員が今も盗聴されて、良い餌を探している。

過去にあなたが知っているだけで5人~6人はいなくなっているでしょう?彼らは役員に食べられその後、記憶を消されて病院で暮らしている。
盗聴の場所は天井ライトの近くに小さい穴が盗聴場所。気づいてもダメだから同じように病院送り。
次は私だと思う。では…。
彼女の手は震えた。
帰れないと。今までの出来事が全てつくられた人生だったと憤りを感じた。どうにかしてとめたいと。

彼女は家に帰り、盗聴の場所を確認しテレビを付けた。普段より音を少し大きくしまわりを確認した。

彼女はため息を
「はぁ。疲れた。」

彼女笑った。大きな声で笑った。テレビはニュースなのに笑った。台所に行き包丁を持ち笑った。
「次はあたしだったんだね。みーぃつけたぁー。」
ベッドの下に男がいた。
…。

先を見れば過去が迫る。
過去をみれば先が見えなくなる。

来た道は間違いではない。

ただ来た道が広すぎただけだ。

始めの道はお菓子やおもちゃがたくさんあった。
楽しかった。

先の道は狭く何もない。
それでも時頼、ダイヤモンドや金塊が落ちている。

でもそれはこの先役に立つものではない。

隣の道は綺麗にみえる。
道の色がかわれば
空色もかわる。

なぜ道を歩く?

なぜ道ができる?

なぜ1人一本なんだろう。

解いても解けない。

どんな科学者でも有名人でも著名人でも

答えた人はいない。

道がなぜ狭くなるのか。道がなぜ消えるのか。

狂ったら狂ったままでいい。

きっと道は勝手につくられる。

走る、歩くを繰り返せば楽しくなるかな。