日本では、マルチまがいは違法とされていますが、マルチ商法自体を取り締まる法律はありません。
しかしヤクザは、違法とされていないマルチ商法を相手に稼ぎを行うこともあります。



  ある大手ヤクザ組織の下に属するAなどは、マルチ商法からお金を巻き上げることで数千万稼いだとも言われています。
Aのやり口は、女性を使ってマルチ商法に入会させるところから始められますが、その時に、末端会員からではなく、いきなり中堅どころとして女性を入会させます。



 マルチ商法は、末端会員は儲からないのが常識ですので、こちらは「もっと儲けたい」という欲のあることをアピールし、マルチに中堅どころから入ることを納得させます。



 すると相手は、こちらの欲につけ込み、中堅どころに入るための高い入会金をふっかけてきますので、言われるがまま数百万円を支払います。



  マルチ側としても、いきなり大金を支払ってくれる新会員を入会させると、勧誘者自身の収入にも反映されますから、喜んで入会させてくれます。
この時、ICレコーダーなどで「入会金の数百万は高いけれど、必ず元が取れるうえに絶対に儲かる」などといったマルチ側の勧誘のセリフを録音しておきます。



 入会後は、マルチ商法の活動は何も行わず、3か月程度経ってからマルチ商法の本部にA自らが乗り込んでいきます。
「必ず儲かると言ったから金を支払った。儲からないのは詐欺ではないか」
などと言ってお金を要求しますが、最初はマルチ側も相手にしません。


 
  しかし録音したものを聞かせると、勧誘時のセリフは違法スレスレですし、実際に後ろ暗いところもあり、脅しに来た相手は何をするかわからないヤクザ、更に裁判での手間やイメージダウン、捜査によって組織の全てをさらけ出すことなどの難を避けようとしますので、大抵は言い値の通りに支払うようです。



 Aによると、小さな組織よりも大手の組織の方が多くのお金を巻き上げることができるそうで、最近流行のインターネットを通じて会員を集めているマルチなどはいつの間にか消えていることも多いので、そういったところは収入にならないようです。