「ほら。ここ座って」
先ほどの1件の後、流石に服までの着替えを手伝うわけにはいかなかったため。
兼定自身で着替えさせた。
長い細くて綺麗な髪を一人で結ぶことは兼定にとってはやはり慣れないようで、仕方なく自分の目の前へ座らせて髪を整えてやる。
「相変わらず綺麗な髪ね」
髪をとかせばくしが綺麗に流れる様に漆黒の細い髪をといでいく、
「だろ?まぁ、国広が毎晩手入れしてくれるからなぁ、でも、あんたの髪も綺麗じゃん!俺は好きだけど?すんなり指から通っていくし」
前を向いたまま兼定は淡々と言うが……
「待って!いつの間に私の髪の毛なんて触ったの!?」
そうだ、起きている合間に1度でも兼定に触らせた事などないのだ。
「あんたが寝てる時、主って撫でると顔がニヤッついてるんだぜ?気づいてないだろ?はは!」
っと悪びれた様子でもなく淡々笑いながら言う。
(こ、こいつ……///)
「はぁ、なんで毎朝私の部屋で寝てるの?」
不意に聞いてみた、当初和泉守兼定がこの本丸に来た時まだ堀川国広は来ていなかった。
初期のこの本丸に来た兼定はほかの燭台切光忠や鶴丸国永の太刀が居たのだが、初めて会う2人に対して何処か少し抵抗していた様でレベルも低かったため、本丸に来た当初から主に引っ付いていた。
堀川国広が来て少しは離れてくれるだろう!っと期待していたのにも関わらず、兼定は毎朝、この本丸の女主の部屋に忍び込んでは起床しているし、暇さえあれば主の部屋へ来ては仕事を除き込んだりしている。
そして、聞いていなかった先ほどの質問をした。
「嫌なのか?主?」
髪を結うために動かしている手を掴まれしまった。
「ちょっと、兼定」
手を掴んだまま、先程まで前を向いていた顔を不意に自分の方へ向けてきた、その顔は真剣な顔をしている
「始めてきた時みたいなままじゃダメなのか?これでも抑えてんだけど?ほんとは主が寝る前に来て一緒に寝たいって思ってるし……忍び込むのも大変だしなーという、昔は一緒に寝ててくれたじゃねぇーか?ダメなのかよ?別に……変な事する訳じゃねぇーんだし///」
そういうと少し顔が赤くなり不意に顔を背けた。
(か、可愛い……///)
不意に吾を忘れてしまい慌てて我に帰る
「ほかの刀剣男士達も居るでしょ?昔みたいには行きません。それに、もう、レベルもカンスト寸前だし……昔みたいに小さくないでしょ?一人で寝れるでしょ?」
「一人で寝れるに決まってんだろ///ただ、主と居たいんだよ!ただでさえ、昼間は部屋で山姥切りとバタバタ仕事してるしよ……」
すこし、ふてくされた言い方をして言い放った。
「兼定、どうしてそこまで私と居たいの?国広も居るじゃない?加州清光や大和守安定も、寂しくは無いはずよ?」
「お!お!おれはただ!」
そう言い出そうとした途中
またしても、主の自室の扉から声がした。
「主、朝餉の準備が出来ました。ここにおいて置きます。」
声の主は長谷部だった。
「ありがとう長谷部さん!美味しく頂きます」
「長谷部俺のは?」
と声を襖に投げかけたのは兼定だったが、
「貴様の分は広間だ!いつまで主の部屋に居るつもりだ!おまえだけの特別待遇など無い!食べたければ己で広間まで来い!」
襖越しだが迫力のある怒鳴り声に思わず恐縮してしまう。
「あぁ!申し訳ございません主!でわ、これにて、後で本日の仕事の内容についてとご報告の程をさせて頂きに参ります。でわ、失礼致します。」
そう言って長谷部は去って言ったのが足音でわかった。
「はぁ……わざわざ広間まで行かなきゃ行けねぇーのかよ……国広持ってきて来んねぇーかな」
「こら!取りに行きなさい!なんでも国広に頼っては駄目よ!」
「あ、でも、そろそろ来そうだよな」
っと言った瞬間またしても、襖が開かれた
「兼さーん!!!朝ご飯持ってきたよ!3人で食べよう!」
襖があいた途端、味噌汁の美味しい匂いがしてさらに食欲をそそられる。
「国広おおおー!流石だな!食おうぜ!主!ひとりで食っても飯は美味くねぇー!」
「ほらほら!立たないよ!兼さん!その前に布団片付けて!ほらほら!あ!主さんは!隣の仕事部屋で着替えて来てくださいよ!一緒に食べましょ?冷めたら美味しくないですし!」
「だろだろ?早くしてこいよ!」
「あぁ!はい!」
そう言われて慌てて仕事部屋へ押し込まれてしまった。
数分後、着替え終われば、三人分の膳が並んでおいてあった。
「さぁ!くおうぜ!今日も旨そうだなぁ!」
「でしょ?あ!兼さん、髪の毛主さんに結って貰ったんだね!」
「おう!どうだ?」
得意げそうに国広に自慢する兼定を見ていると何だかとても心が暖かくなった。
「主さんやっぱりうまいですね!あ!後で僕が主さんの髪の毛結ってあげますね!今日はどんなのがいいかなぁ……加州くんに後で結い方の書物を貸してもらおうかな……」
(ど、どんな髪型になるのかな……凄くこりそうだな……)
と、ぶつぶつと国広が言うのは見た兼定は
「ほら!食うぞ!」
「あ!じゃあ!」
「「「いたただきまーす!」」」
3人で合図をして今日もこんな感じでとある本丸の1日は始まるのだった。
※なんか、すみませんでした!また気が向いたら書きます!
