この本丸の主は世間で言う゛女審神者゛だ。
本丸が大きくなり審神者のお仕事も徐々に増えて審神者レベルも高くなると政府から与えられる仕事も大きいものに変わり、出張へ直々に政府へ向かう事も多くなり……。
本丸に居る時間も少なく、だが帰ってくると大きな任務を与えられて刀剣男士と共に時間差攻撃殲滅の任務を行うのだが……
「はぁ!今日も疲れたなぁ!国広!!!!!!!」
「だね!!兼さん!!でも僕らも無事に極になれたし!! !!!!前よりも強さも増したし!!何より兼さんまた強くなった気がするよ!!」
と、いつも通りの会話をしているのはこの本丸でも本丸に顕現して長い和泉守兼定と堀川国広だ。
「しゃ!とりあえず俺は主に今日の出陣の報告をしなきゃならねぇ、」
「だね!兼さん今日も隊長だったしね!僕は先に自室に戻っておくよ!」
「おう!ならまたな!」
と廊下の我際で2人は一旦別れを告げる。
兼定は主の部屋へ向かった。
この本丸の中でも、和泉守兼定はこの本丸の審神者を慕っている。そして長い間一番隊の隊長を死守している刀剣男士だ。
兼定自体、審神者が自分への信頼と期待を向けてくれているのも充分という程感じ、それを彼は誇りに思っている。
兼定自身もまた審神者への信頼は厚い。
もちろん、そんな審神者のために完璧に任務をこなし、鼻を高くして審神者の居る自室へ足を軽くし向う。
「主!今戻ったぜ〜♪♪」
と、襖に手をかけ開ける
「あ〜る〜じ〜!今日の俺も〜!」
「おや?おかえり、和泉守兼定くん」
とルンルンで開けるといつもなら聞こえてくる優しい声の主とは真逆の声で低く少し上品な喋り方の大般若長光だった。
「!?大般若長光!?なんであんたがいんだよ!主は!?」
驚いた声の兼定とは裏腹に落ち着いた声で大般若は答えた
「あぁ……また、政府からの呼び出しでね、君達の任務が無事完了したのを見届けてからまた政府へトンボ帰りして行ったよ」
「はぁぁぁ???っち……!!!!!!!またかよ!!!!!!!」
「出迎えが君の大好きな主じゃなくて申し訳ないね」
「っつ!!!!」
と大般若が言うと兼定は少し頬を赤くした、そしてそれを隠すように話を逸らそうとする
「ああ!なんで!アンタがいんだよ!近侍じゃねぇーだろ?し!しかも!主のお世話係は山姥切国広だろ!?な!何であんた!!!!!!!」
「あ、あぁ、そうだね、さっきまで主の荷造りを手伝ってたんだ。」
「に!荷造り!?山姥切は?」
「山姥切くんは内当番で居なくてね、変わりにと頼まれたんだ」
言うと大般若長光はニッコリと兼定を見ながら笑顔を向けた。
「っつ……」
それがとても気に入らなかった、審神者は最近ほんとんど本丸に居ない。
帰って来ても出陣を命じられたら主とはろくに話す事も出来ないからだ。
主は自分の事を信じ信頼しそしてよく使ってくれるのは和泉守兼定にとっても刀としてはとても幸せを感じる、だがしかし、帰って来ても審神者には会えず、頑張って誉を取って帰還したとしても審神者が居なければ褒めてもらう事が出来ない。
最近それが続き、兼定は少しイラついてた。
「ん?どうしたんだい?和泉守兼定くん?」
少し気に入らなさそうに下を見る兼定を見て大般若が質問する
「何でもねぇーよ!!!!!!!ってか!!!!!!!近侍でもねぇ!!!!!!!主お世話係でもねぇアンタはさっさと出ていけよ!!!!!!!」
大般若に八つ当たりしてしまった。
「……そうだね、主も居ないんだ、俺はお暇するよ。君の聖域に踏み込んですまないね」
そう言うと大般若長光は部屋から出て行った。
遠のく足跡を確認してから、和泉守兼定は我に返った。
「はぁ……何やってんだよ、俺は……」
深いため息と共に彼はその場にしゃがみ込むしか無かった。
続く→。


