やっとテスト終わりました。
今日は午後から
髪切りにいきます!
コメントのお返し等は
その後になってしまいます、ゴメンなさい![]()
明日は部活があるんで
今日、しっかりやすみます
やっとテスト終わりました。
今日は午後から
髪切りにいきます!
コメントのお返し等は
その後になってしまいます、ゴメンなさい![]()
明日は部活があるんで
今日、しっかりやすみます
「なんでなの?!」
嬉しいはずが思わず嘆いてしまう香。
「良かったじゃん。同じクラスで斜め右の席なんて、眺め放題だよ」
他人事のように言う綾乃。2人は手を洗ってトイレから出た。
高校三年目の春にこんな転機が訪れるなんて、と綾乃は目を輝かせた。
「いやいやいや、」香の顔はほころんでいるが、少々不満気に手を顔の前で左右させる。「全然良くないよ!あたしは遠くから眺めたい人なの。斜め右はいくらなんでも近すぎだって」
あらあんた結構オクテなのね、としれっという綾乃。
「獲物は早いうちに仕留めとかないと誰かに捕られるよ?」
捕るとか捕らないとかそーいうのじゃなくって、と弁解しようとするがヤメにした。香がどんなに正論を述べたって、綾乃はもっともな意見で状況をひっくりかえすからだ。
「心臓バクバクしすぎてヤバい」
「臆病だねー」
「前見れないかも」
「さすがに前は見れるでしょ。黒板見なきゃいけないし」
そうだ、意識するからいけないのだ。あたしは決められた席に着いている、そう考えれば良い。半ば開き直っているがそうしない限りドキドキが収まらないのだから仕方が無い。
そんなこんなしているうちにチャイムが鳴った。「まぁ頑張れよ」とニヤけながら自分の席に向かう綾乃。香も当然着席するが、そのころから鼓動は必要以上に大きくなり、身体が熱くなってきていた。
「顔、赤いけど大丈夫?」
不意に声をかけられ身体がビクッとする。
かかった声の持ち主は左隣に座っている日野 理香子からだった。
「うん、大丈夫」と答えるしかなく已む無くそうする。左に向けた顔を前に向けると、例の斜め右に座っている奴が香を見つめていた。
うわぁ、と小さく悲鳴をあげ思わず俯く。
日野とのやり取りが聞こえていたのだろうか、それで心配して?いやいや、初めて同じクラスになったんだしそれは期待し過ぎだろう。じゃあなんで?なんとなくこっちに顔向けてただけ?
奴のことを考えているせいで余計に身体が熱くなっていく。
ホームルームを終えたと同時に持ってきていた麦茶を暴飲したのは言うまでもない。
「あははははははは!!」
お昼休みにホームルームから午前中の「学活」で埋め尽くされた授業の様子を綾乃に話した。そしてあの笑い声である。
「だからぁ!他人事だと思わないでよ!」
「だってずっと右側見れなかったんでしょ?!笑えるー!!」
奴のことを意識しないようにしてたつもりがかえって意識してしまっていた。
右側を見るだけで視界に入ってくる奴から避けるための最低限の抵抗が「右側を見ないこと」だったのだ。仕方が無しにやった行動を笑われるのは不本意である。
綾乃は自分のお弁当の小さなハンバーグにフォークを刺しながら言った。
「でも香のこと見てたんでしょ?」
「まぁそれは...」と言いかけて綾乃が続ける。「充分狙えるよ。ライバルは多いだろうけどね」
その言葉が励みになったのかどうなのかは自分でも分からないが、安心したことだけはしっかりと覚えている。
その日は午前中に授業は終わり、みんな思い思いに教室を出て行った。
後日担任から告げられたことだが、香と奴は授業を進める中の行動班が同じことが判明した。この話を聞いて綾乃が爆笑したことは、またまた言うまでもない。
ちなみに綾乃のほうの班は「出来の悪い男子」と「趣味の悪い女子」で構成されているらしい。そういえば「吐き気がする班だよ」と言っていた気がする。
あたしのほうの班はどうだろ。奴とあたしと日野と、あと村井君だった。
日野はみんなに一目置かれているという感じの女子だから頼れることは間違いないし、村井君もおちゃらけキャラだから班を盛り上げてくれるはず。吐き気はしないが、赤面せずにはいられない班だということは間違いないだろう。と一人考えつつ、奴の後姿をチラりと覗き見しては顔と身体を熱くしていた。
それからなんやかんやあり、3月。卒業だ。
奴とあたしがどうなっているかは、あの頃のあたしは知らないであの時を生きている。
未来からその結果を報告してあげたいくらいだ。
だけど、やっぱり何も知らずに生きて、その日を迎えて欲しいとも思う。
綾乃にそう言ってみたら「ちょっと重くない?その話」と突き飛ばされてしまった。
結果はどうあれ最後の1年は楽しかったなぁと思いながら、証書を受け取った。
終わり